F2王者獲得もF1チームに見向きされない現状「本当に辛い」胸の内を語るテオ・プルシェール
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2023年のFIA-F2選手権チャンピオンに輝き、未だ2025年のシートに空きがあるザウバー/アウディのF1リザーブ・ドライバーであるにもかかわらず、テオ・プルシェールの来季F1昇格の可能性はかなり低いように見える。
17歳のフランス人ドライバーは昨年、F1の登竜門足る直下のカテゴリーでチャンピオンを獲得したものの、2024年に向けてF1シートを得ることはできなかった。
今季はスーパーフォーミュラに参戦したが、インディカー参戦の機会を得て1戦のみでチームを離脱。しかしながらマクラーレンが契約を途中解除してノーラン・シーゲルを起用したため、その道も頓挫した。
ザウバーのアレッサンドロ・アルンニ・ブラービ代表は幾度となく賞賛を送っているが、プルシェールは2025年のニコ・ヒュルケンベルグのチームメイト候補とは見なされておらず、グリッドに残る他の3シートの候補にも名前が挙がっていない。
コナー・デイリーのポッドキャストに出演したプルシェールは「辛い。F1への最後のステップであるF2を制しただけにね」と述べ、自身のキャリアを思い悩んでいることを認めた。
「F1のパドックでは、どのF2ドライバーが将来F1で走ることになるのかを誰もが注目している。僕は検討されたとは感じたけど、それほどでもなく、それが本当に辛い」
厳しい状況にもかかわらずプルシェールは、自身にとってのヒーローであるセバスチャン・ベッテルやフェルナンド・アロンソと同じように、F1という最高峰の舞台でレースをするという夢の実現を諦めてはいない。
プルシェールは期待を込めて「まだドアは閉じられていないと思う」と語った。
「F1は何が起こるか分からない世界だ。クレイジーなことが起こるのを目の当たりにしてきたし、少なくとも自分をアピールするチャンスくらいは得られるはずだと今も信じている」
F1でのチャンスに恵まれない場合、プルシェールはインディカー・シリーズでキャリアを追求する意向を明らかにした。
「主に来シーズンを見据えて他の幾つかのチームとも話をしている。F1でのチャンスがないのであれば、インディカーは僕が本当にやりたいことだ」とプルシェールは語った。
2025年のザウバー/アウディのF1シートには、フェリペ・ドルゴヴィッチやミック・シューマッハ、アレックス・パロウ、レッドブルからの放出が見込まれるドライバーなど、様々な名前が取り沙汰されているが、状況はバルテリ・ボッタス続投に傾いているように見える。