ポール失ったフェルスタッペン、アルガルベの新舗装とベッテルに苛立ちと不満
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5月1日のF1ポルトガルGP公式予選を3番手で終えたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、再舗装によってアルガルベ・サーキットは楽しめないコースになってしまったと苛立ちを募らせ、予選最終計測ではセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)のトラフィックに阻まれ「シッチャカメッチャカだった」と不満を訴えた。
フェルスタッペンは最終Q3の1回目のアタックで1分18秒209のポール相当のラップを刻んだものの、ターン4のトラックリミットによってタイムが抹消されてしまい、巻き返しを目指して臨んだ最終計測では、トラフィックに前を塞がれた事もあり最速バルテリ・ボッタス(メルセデス)から0.398秒遅れの3番手に留まった。
仮に1回目のタイムが生きていれば、フェルスタッペンはボッタスが刻んだ1分18秒349を上回りポールポジションを獲得していた事になる。チーム代表のクリスチャン・ホーナーは「僅か数ミリ」がトラックリミットに繋がったと説明した。
計測を終えてクルマを降りたフェルスタッペンは、撮影のために近寄ってきたカメラを退け、グリッド上での予選インタビューが終わるとパネル裏にしゃがみ込み、うなだれた様子を見せるなど、あからさまにフラストレーションを抱えていた。
何が不満だったのか?と問われたフェルスタッペンは次のように答えた。
「今週末はとにかく上手くいったりいかなかったりで、バランスをとるのに凄く苦労しているんだ。1周だって楽しんで走れていない。路面のせいさ。レイアウトは素晴らしいけど、僕らが今回経験しているグリップは決して良いものとは言えない」
「みんなもそうだと思うけど、僕個人としてはドライブしていて楽しくないんだ」
「それにしても、予選の出だしはクルマのバランスが取れず本当に遅かった。徐々に良くはなってきたけど、基本的には何かを妥協して少し改善したと思ったら、別のことでまた少しパフォーマンスを落とすような感じで、とにかく良くなかった」
「そしてQ3の1回目のラップでは、ターン4でああいう事があった。結果的にあれがファステストラップだったわけで…。グリップを得るのが本当に難しいセッションだったって事の証さ」
「あのコーナーは全開で、急にクルマがスナップしてしまい少しワイドに膨らんでしまったんだ」
フェルスタッペンは2回目のラップでも同じようなタイムを残せると考えていたが、クリーンラップを得る事はできなかった。
「前にはアストンマーチンがいて、挙げ句ライン上でトウを取られてしまい、最終セクターで僕のラップは台無しになってしまった」
「ああ、シッチャカメッチャカだよ。でもそれが現実さ」
とは言え、苛立ちの一番の原因は新しい路面だった。アルガルベ・サーキットは昨年のグランプリ初開催に先立ってコース全面を再舗装した。この結果、週末を通してグリップレベルが極端に低下し、ドライバー達はクルマをコースに留めておくだけで精一杯という状況を強いられた。
あれから6ヶ月が経過した事で、ピレリを含めて関係者は少なからず改善を予想していたが、同じアルガルベで2週間前に開催されたMotoGPをフォローしていたフェルスタッペンは、週末に入る前から既に路面への懸念を抱いていた。
「MotoGPのタイムをチェックしたら、(去年と)同じタイムだったんだ。もちろん、彼らがフロントタイヤを少し変更した事は知ってるけど、全体的に見て、とにかくグリップが悪い」
「去年のグランプリの開催の前にここに来たときは、本当に……つまり、正直なところ、お気に入りのサーキットのトップ3に入るほどだったんだけど、ターマックが変わってしまって、僕にとっては……そう、もう楽しめなくなってしまった」
確かに予選は理想的なものとはならなかったが、チャンピオンシップポイントが得られるのは決勝レースだ。フェルスタッペンはキャリア初となる選手権首位を目指して日曜のレースに臨む。
フェルスタッペンは、今週末のRB16Bのレースペースは悪くないとの考えを示し「ここは前のクルマに付いていくのが簡単なコースじゃないけど、良いペースがあれば確実にプレッシャーをかけていけるはずだ」と述べ、逆転優勝を誓った。
2021年F1ポルトガルグランプリ決勝レースは、日本時間5月2日(日)23時にスタートの時を迎える。1周4684mのアルガルベ・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。