復活の兆し示すピエール・ガスリー、手応えを得つつも「望んでいるのはこの程度のリザルトじゃない」
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ピエール・ガスリーは今年、念願のレッドブル昇格を決めたものの、シーズン序盤は大苦戦。チームメイトのマックス・フェルスタッペンに大差をつけられただけでなく、ミッドフィルダーの後塵を拝す事もしばしばであったが、シルバーストンでのレースでキャリアベストの4位入賞を果たし、復活の兆しを示し始めている。
フェルスタッペンは既に今季1勝目を挙げ、それとは別に2度表彰台に上がっているが、ガスリーはリアエンドが不安定なRB15に適応することに苦労し、チームの母国オーストリアGPでは、優勝を飾ったフェルスタッペンの1周遅れでフィニッシュ。雪辱を味わった。
だがレッドブルは続くイギリスGPで、ガスリーにフェルスタッペンと同じセットアップを与えた上に、レッドブル・リンクでは用意できなかった新型フロントウイングを投入。その成果は結果に即座に反映された。ガスリーは計3回のプラクティスでチームメイトを上回り、決勝レースではポディウムまで後4秒に迫ってみせた。
「マシンが僕好みに近づいている事は確かだよ」とガスリー。ホッケンハイムリンクで開催されるF1第11戦ドイツGPを前に、現在の状況を説明した。
「毎戦、より多くのパフォーマンスを引き出せているけど、シルバーストンはこれまでの中でベストだと感じられるグランプリだった。それ以外にもいくつか良いフィーリングが得られたレースもあったけど、いささか一貫性に欠けていたから、今はもう少し安定して良い結果を残したい」
上昇気流に乗りつつあるのは疑いないが、イギリスでの4位入賞は自力で掴んだものではなかった。ガスリーはシルバーストンで今季初めてフェルスタッペンの前でチェッカーを受けたものの、それはセバスチャン・ベッテルがフェルスタッペンに激突しなければ叶わなかったものと言える。
ガスリーは現在の状況に手応えを得ているが、自らの能力を100%発揮するためには、まだ改善しなければならない問題がある事を認める。
「僕が望んでいるのはこの程度のリザルトじゃない」とガスリーは語る。「僕はより良い結果を達成するためにはどうしたら良いかを常に考えているし、シルバーストンを超える成績をより頻繁に達成するために何をすべきかについて頭を使っている。改善したとは言え、あれでは完璧とは言えない」
「(イギリスでは)トップレベルの争いを楽しめたし、思い通りのドライビングが出来つつあると感じている。僕は自分には競争力があり、速く走れるって信じているから、これを実現させるために必要なものを見つけなきゃならない。今はその手がかりが掴めていると思うから、後は改善を続けていくだけさ」
ガズリーは10戦を終えた現時点で、55ポイントを獲得しチャンピオンシップ6位につけているが、3位フェルスタッペンとの差は81点と非常に大きい。ヘルムート・マルコら首脳陣を納得させて契約更新を掴み取るためには、ガスリーが語るように、一貫してフェラーリと対等に張り合い、表彰台に上がる必要がある。