一線を引くセルジオ・ペレス「もう十分だ」スパでの”本当に酷いレース”を経て憶測をシャットアウト
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シーズンの前半戦を「本当に酷いレース」で締め括ったセルジオ・ペレス(レッドブル)は「憶測はもう十分だ」「もう答えるつもりはない」と語り、自身の将来を巡る質問に関してメディアに一線を引いた。
スパ・フランコルシャンでのレースはペレスにとって、自身がレッドブルでの将来に値する存在であることを示すための絶好の機会になるはずだった。
中古タイヤしか残っていない状況の中、ダンプコンディションの予選では見事な走りを披露して最前列2番手をマーク。4月の中国GP以来の最高グリッドを手にしたペレスは「運転の仕方を忘れたわけではない」と自信を見せた。
しかしながら、その翌日に自身の今後のキャリアを決定づけるかもしれない重要な会議を控えた日曜のレースでは8位に沈み、立場をさらに悪化させた。
レースを経て、将来を巡る多くの話題が飛び交っているがと問いかけられたペレスは「これ以上、憶測に答えるつもりはない」と一線を引いた。
「僕はチームと一緒に全力で取り組んでいる。シーズンの後半に向けた準備のためにチームとして集中すべきことは多い。憶測はもうたくさんだ。言うべきことはすべて言った」
ペレスは昨年同様、ポールシッターのシャルル・ルクレールのスリップストリームを利用し、レ・コーム(ターン5)に向けてトップを獲りにいったものの上手くいかず、逆にルイス・ハミルトン(メルセデス)に交わされ3番手に後退。あっという間にDRS圏外に追いやられてしまい、無線を通してバッテリー切れの影響でトップスピードが不足していると訴えた。
続く第2スティントではタイヤ交換を終えて戻った先のトラフィックに苦戦した。オスカー・ピアストリ(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(メルセデス)に追い抜かれ、僚友マックス・フェルスタッペンが後方に迫ると再びピットインした。同じミディアムを履いた第1スティントより短い僅か10周でのタイヤ交換だった。
ハードタイヤを履いた次のスティントでもペースは上がらなかった。フェルスタッペンに道を譲った後、ランド・ノリス(マクラーレン)とカルロス・サインツ(フェラーリ)にポジションを奪われ、レッドブルは残り2周、フリーストップを利用してソフトタイヤを履かせた。
ペレスはファステストラップポイントを加算し、ジョージ・ラッセル(メルセデス)の失格に伴い最終7位でレースを終えた。
「本当に酷いレースだった。最初のスティントは順調だったけど、2回目のスティントが本当に厄介だった」とペレスは振り返る。
「ミディアムに履き替えたのが本当に痛手だった。プッシュしなければならない時にデグラデーションが兎に角、酷く、残念ながらかなり早くスティントを切り上げなきゃならず、それがレースタイムに影響したと思う。でも結局のところ、今日はペースが足らなかった」
ベルギーGPの開幕を前に、夏休み明けのオランダGPでレースをすることは100%間違いないとしていたペレスだが、スパでの週末を終えてコンストラクターズ選手権2位につけるマクラーレンはレッドブルとの差を42ポイントにまで縮めた。2台が揃ってコンスタントに上位フィニッシュしない限り、レッドブルの3連覇は危機に瀕しかねない。
月曜の会議がシーズン前半戦の評価と2025年を含めた今後のシーズンの分析だけに費やされるのか、それともペレスの去就を最終決定する場なのか、そうだとしてその後任までをも決める会合になるのかは分からないが、ペレスの後任者がより高いレベルの競争力を発揮する保証は当然ない。
ペレスは最後に、「今は休みを取って、チームと一緒に気持ちを新たにしてまた戻ってくる」と付け加えた。
2024年F1第14戦ベルギーGPではトップチェッカーを受けたジョージ・ラッセル(メルセデス)が失格となり、僚友ルイス・ハミルトンが昇格の今季2勝目を挙げた。
F1サーカスはこれより4週間弱のサマーブレイクを迎える。ザントフォールト・サーキットを舞台とする次戦オランダGPは8月23日のフリー走行1で幕を開ける。