子供のF1キャリアに関与する親、否定的なハミルトンとマグヌッセン…ヨス・フェルスタッペンの一件を受け
Published:
ヨス・フェルスタッペンが、息子の所属するレッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーと口論を繰り広げ退任を要求した事を受け、ルイス・ハミルトン(メルセデス)とケビン・マグヌッセンは、親が子供のF1キャリアに関与する事について否定的な見解を示した。
レッドブルGmbHが無罪放免を発表した今もなお、スキャンダルの渦中にいるホーナーについてヨスは、息子が完勝を以てドライバーズタイトル4連覇への第一歩を踏み出したバーレーンでの週末に「被害者ぶっている」と非難し、このまま今の立場に留まればチームは「引き裂かれ」「爆発する」と警告し。退任を要求した。
ハミルトンはキャリアの初期に父、アンソニーがマネジメントを担当していたが、マクラーレンとのタイトル獲得という成功にも関わらず、次第に「衝突」するようになり、2010年に”マネージャーとドライバー”としての関係に終止符を打って以降は第三者にマネジメント業務を託している。
英紙「Telegraph」によるとサウジアラビアGPの開幕に先立ちハミルトンは、ヨス・フェルスタッペンとホーナーを巡るイザコザの「詳細は知らない」と前置きした上で、それでもなお「結局のところ彼はチームの一員ではなく、一人の親であって、これは単なる意見だけど、(ヨスが関与する事がマックスにとって)役に立たないのは明らかだよ」と主張した。
キャリアにおいて親が密接に関与することの難しさを知るハミルトンは、こうした関係が上手くいくかどうかは「親との関係にも左右されると思う」としつつも、「際どい境界線の上を歩くようなもの」であるとも指摘し、次のように続けた。
「彼(フェルスタッペン)がどういう関係を築いているのかは分からない。あちこちで色んなことを耳にはするけど、マックスは大人だし、チャンピオンなんだから、自分で決断できると思うよ。間違いなくね」
「とは言っても、僕らレーシングドライバーの世界においては、耳元でささやいてくる人たちに容易に惑わされるところがあると思う。そしてそれは常に正しい方向に導いてくれるとは限らないんだ」
「今回の件がそうだと言っているわけじゃないよ。彼らは素晴らしい仕事をしていると思う」
「でもスポーツの世界では、テニスであれ何であれ、他のアスリートと話をした経験から、周りに正しく導いてくれる人がいないと、間違った決断をしたり、ベストを尽くせなかったりするものだという事を僕は知っている」
「もちろん、こうした事は今回の件に当てはまるものじゃない。彼は本当によくやっているからね。でも、だからこそ難しいんだ。なぜなら子供にとって親は親であって欲しいと思うものだし、いい関係でありたいと思うのに、ビジネスが絡むと本当にややこしくなるからね」
フェルスタッペンと同じく、元F1ドライバーの息子であるケビン・マグヌッセンも、親が子供のキャリアに関わる事について否定的だ。
マクラーレンやスチュワートでのF1キャリアを含め、NASCAR、ル・マン24時間レースを含む様々なカテゴリーで活躍するヤン・マグヌッセンを父に持つハースのドライバーは、F1キャリア初期の段階で父親に対し、自分のキャリアではなく自身のキャリアに集中してほしいとの希望を伝えていた。
「これについては彼も慣れる必要があったと思うけど、この旅は僕自身のプロジェクトだってことをハッキリさせたかったんだ。僕は自分をサポートしてくれるチームを自分で作り、父には頼まず自分自身で自分の事をやってきた。上手くいっていると思う」とマグヌッセンは語った。