技術部門の再編進めるルノーF1、20年来の忠臣ニック・チェスターの解雇を発表

ルノーF1チームのテクニカル・ディレクターを務めるニック・チェスターCourtesy Of XPB / James Moy Agency

フランスに本拠地を置くルノーF1チームは6日、英国テクニカルチームの組織再編の一環として、シャシー部門の責任者を務めていたニック・チェスターがチームを離脱したと発表した。ルノーは先月、エアロ部門を率いていたピーター・マチンの離脱を明らかにしており、主要メンバーがまた一人、チームを去る事になる。

ニック・チェスターとルノーとの関係は今世紀初めにまで遡る。イギリス出身のエンジニアは、2000年にベネトンへ移籍。その翌年、エンストンのチームはルノーに買収された。車両パフォーマンス部門(VPG)の責任者に抜擢されると、革新的な「チューンド・マスダンパー」を開発。チームとフェルナンド・アロンソに2年連続のタイトルをもたらした。

チームは2011年にグループ・ロータスに売却されるも、ニック・チェスターはエンストンに留まり、2013年には、ジェームス・アリソンの後任として技術部門のトップ、テクニカルディレクターに就任した。

ニック・チェスターは「私はこの19年間を素晴らしいスピリットを持ち合わせたチームで過ごし、才能のある人々と共に仕事に取り組み、それを楽しんできた。私は新しい挑戦を楽しみにしているし、チームがこの先素晴らしい将来に恵まれる事を祈っている」との談話を発表。ニック・チェスターは今後、ライバルチームへの移籍に備えてガーデニング休暇に入る。

マネージング・ディレクターを務めるシリル・アビテブールは「ニックは20年近くに渡ってエンストンの重要なメンバーだった。非常に困難な時期を経験したにもかかわらず、チームへの彼の情熱は決して揺らぐことはなかった。彼の技術的な洞察力、熱意に触発されて、チームは近年、グリッド後方からミッドフィールド前方へと競争力を向上させてきた。ニックに心から感謝すると共に、次のキャリアでの成功を祈っている」と語った。

ルノーはピーター・マチンの後任としてディルク・デ・ビアを空力部門のトップに据えており、更には来季より、今年マクラーレンでエンジニアリング・ディレクターを務めていたパット・フライがチームに合流するとしている。

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