メルセデスPU搭載のベッテルとハミルトン、相次ぎトラブルで走行時間を失うも影響は限定的?「世界が終わるわけじゃない」

砂利を巻き上げながらザントフォールト・サーキットを走行するアストンマーチンのセバスチャン・ベッテル、2021年9月3日F1オランダGPフリー走行にてCourtesy Of Aston Martin Lagonda Limited

ザントフォールト・サーキットでのF1オランダGP初日セッションは計3度の赤旗によって長期の中断を強いられた。そのうちの2つはメルセデス製F1パワーユニットを搭載するルイス・ハミルトンとセバスチャン・ベッテルによるものであったが、週末の残りに向けての影響はそのインパクトほどのものではなさそうだ。

ベッテルはFP1開始から15分が過ぎたところでコース脇にアストンマーチンAMR21を停め「エンジンが壊れた」と報告した。リアからは薄い白煙が上がっていた。

トラブル発生の直前、ベッテルはMGU-Kに問題があるとしてピットに入っていった。チームは問題を解決したと考え再びコースに送り出したものの、待っていたのはグリッド降格ペナルティに繋がりうるエンジントラブルだった。

チームは多くを語っておらずトラブルの詳細は不明だが、本人にとっては幸いにも、自らのエンジントラブルによってFP1でのアンダーグリーンが25分間に制限され全車が同じ様に走行時間をロスしたため大きな問題とはならなかった。

続くFP2で10番手タイムを刻んだベッテルは「計測ラップを終える事ができなったけど、明日に関しては問題ないと思ってる。ドライビングという点ではまだ望む位置に達していないけど、クルマに関しては改善できると思っているし、明日に向けて一歩前に進めるはずだ」と語った。

一方のハミルトンの方は、FP2のセッション開始から程なくして「エンジンパワーを失った」と無線で報告した後、ターン8のコース脇にクルマを停めた。

メルセデスはトラブルについて「オイルシステムの異常な挙動」が原因とのみ説明しており、こちらも詳しい事はよく分かっていない。

ハミルトンが1日を通して20周を重ねた一方、タイトルを争うライバルのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)は46周を計上した。だが、走行時間が限られた事を除けば2日目以降への影響は軽微だ。

ハミルトンが搭載していたのは開封済みの3基の中で最も走行距離が伸びた古い個体であり、土曜以降はストック済みのフレッシュな個体に載せ替える見通しで、初日のトラブルがザントフォールトでのグリッド降格ペナルティに直結する事はない。

ハミルトンは「今後巻き返さなきゃならないし、トラブルの詳細を突き止める必要はあるけど、これで世界が終わるわけじゃない」と述べ前向きな姿勢を強調した。

「走行時間が限られてしまったけどクルマの感触は悪くなかったし、バルテリ(ボッタス)が生産的にプログラムをこなしてくれたから、そこから多くを学べるはずだ」

なお当のボッタスは「特にFP2の方はシングルラップとロングランの両方でしっかり走り込む事ができた」としており、データ不足の懸念はないと主張している。

2日目に向けたメルセデスの課題はターン2及び3が挙げられる。

トラックサイド・エンジニアリング部門を率いるアンドリュー・ショブリンは「搭載燃料量の多少に関わらず(ライバルに対して)失っているようで若干苦戦しているが、明日に向けて問題を理解するための時間は残されている」としている。


計3度の赤旗中断を強いられた初日をトップで締め括ったのはシャルル・ルクレール。2番手にはカルロス・サインツが続きフェラーリがタイムシートの最上部を占拠した。3番手はエステバン・オコン(アルピーヌ)という結果となった。

F1オランダグランプリ3回目のフリー走行は日本時間9月4日(土)19時から、公式予選は同22時から1時間に渡ってザントフォールト・サーキットで開催される。

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