アップグレードで「決定的な一歩」を踏み出しながらも何故メルセデスはモナコを悲観するのか?
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第6戦スペインGPで大きな一歩を踏み出したにも関わらず、メルセデスのトト・ウォルフ代表は、今季型W13は低速が弱いとして、カレンダー屈指の低速コース、モンテカルロ市街地コースでのF1モナコGPに悲観的な考えを示した。
スペインGPを経てメルセデスの指揮官は「我々にとってモナコは必ずしも常に満足な成績を残してきたレース」ではなく「バルセロナで見たように、今シーズンは低速コーナーが苦手だ」として、慎重なスタンスを崩さなかった。
F1マシンの低速性能を測る上でカタロニア・サーキットの第3セクターは欠かせない。スペインGPでのセクター3のパフォーマンスは伝統的に、モナコGPの行方を占う上で取り上げられてきた。
予選でのラップタイムを見てみると、セクター3ではフェラーリ勢がトップ2を占拠。これにバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)を間に挟む形でレッドブル勢が続いた。
メルセデスはジョージ・ラッセルの7番手が最上位だった。チーム別としては5番目と、ハースとアルファロメオに先行を許しており、タイヤのオーバーヒートの影響という可能性はあるが、少なからずウォルフの発言を裏付けている。
Pos | Driver | Time |
---|---|---|
1 | C.ルクレール | 27.336 |
2 | C.サインツ | 27.394 |
3 | M.フェルスタッペン | 27.411 |
4 | V.ボッタス | 27.443 |
5 | S.ペレス | 27.465 |
6 | K.マグヌッセン | 27.561 |
G.ラッセル | 27.698 | |
8 | L.ノリス | 27.768 |
9 | L.ハミルトン | 27.821 |
10 | D.リカルド | 27.867 |
11 | 周冠宇 | 27.87 |
12 | M.シューマッハ | 27.888 |
13 | E.オコン | 27.896 |
14 | 角田裕毅 | 27.984 |
15 | P.ガスリー | 28.035 |
16 | F.アロンソ | 28.09 |
17 | S.ベッテル | 28.197 |
18 | A.アルボン | 28.327 |
19 | L.ストロール | 28.395 |
20 | N.ラティフィ | 28.586 |
ルイス・ハミルトンとジョージ・ラッセルがバルセロナで繰り返し口にしたように、アップグレードが導入されたバルセロナでのW13は、ストレートでポーパシングから解放されていた。だが、モータースポーツ戦略ディレクターを務めるジェームズ・ヴァウルズは、今後のレースで再び発生する可能性を除外していない。
ヴァウルズはクルマに対する理解及びアップグレードという点で、メルセデスがスペインで「決定的な一歩」を踏み出したとしながらも、バルセロナはもとより、メルセデスが伝統的に得意としていたコースであるとし、「ポーパシングが解決したというのは誤りだ」と指摘した。
モナコはあらゆるコーナーの通過速度が極めて遅く、高いダウンフォースが求められる。また、非常にタイトなヘアピンがあるためステアリング・ジオメトリーを変更したり、バンピーな路面に対応するためにライドハイトを高くしなければならない。
モナコの攻略法についてハミルトンは「軽くて軽快なマシン、優れたダウンフォース、適切なパワーウェイトレシオ、適切なコースポジション、前方のクリーンエア、バリアに触れる覚悟が必要だ」と語っている。
カレンダー最短、全長3340mのモンテカルロ市街地コースは世界屈指の難コースだ。マシンが年々大型化する一方でコース幅は変わらず狭く、周り一面をガードレールが囲うため、一瞬のミスが大きなアクシデントに繋がる。
2021年のモナコGP決勝レースでは、予選2番グリッドのマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)が後続を8.968秒引き離してトップチェッカーを受けた。
2022年のF1モナコGPは日本時間5月27日(金)21時からのフリー走行1で幕を開ける。