ルクレール、またも悪夢「ガッカリして家に帰るのにも慣れてきた」初の母国完走も”マジに大惨事”
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F1モナコGPのポールシッター、フェラーリのシャルル・ルクレールは初挑戦から5年の時を経て、念願の母国レース初完走を果たしたものの、ピットでの失策によって4位に終わり、またも悪夢のような週末を過ごす事となった。
大雨による1時間の赤旗中断を経てポールからスタートしたルクレールは18周目にピットイン。ウェットからインターミディエイトに履き替えたものの、その3周後にピットから再び、ハードに替えるからピットインしろ、との指示が飛んだ。
だが、同じタイミングで僚友カルロス・サインツがピットに入っていたため、直後にステイアウトのコールが掛かったものの時既に遅し。ピットレーンに入ってきたルクレールはチームメイトのタイヤ交換が終わるのを待たざるを得ず、4秒近くタイムをロスした。
この結果ルクレールはチームメイトだけでなく、タイトル争いを繰り広げるレッドブルのセルジオ・ペレスとマックス・フェルスタッペンに先行を許す4番手にまで後退した。ルクレールは「一体、何やってんだ!!」と怒号を上げた。
魂が抜けたような失望の表情と共にレース後のインタビューに応じたルクレールは「今日はマジに大惨事だった」と嘆いた。
「明らかに優勝は僕らの手の内にあった。パフォーマンスもあったし、すべてが揃っていた。あの判断は本当に理解できない。説明して欲しい」
「僕にできる事は殆どなかった。最終コーナーの直前に指示があったから、反応する事もインフォメーションを求める事もできなかった。あれは明らかに間違った選択だった。改善しなきゃならない」
ルクレールはフェラーリ移籍初年度の2019年のモナコで、チームの戦略ミスによって予選Q1敗退を喫した。また跳馬ドライバーとして迎えた2度目のモナコ、昨年のレースでは、チームが予選でのクラッシュに伴うドライブシャフトの破損に気づかず、ポールを獲得しながらもレースに出走する事ができなかった。
ルクレールは「あまりにミスが多かった。そんな事をしている余裕はないのに。ここでは過去数年に渡ってそんな感じだったから、ガッカリして家に帰るのにも慣れてきたよ」と付け加えた。
チーム代表を務めるマッティア・ビノットは、レース中の幾つかの判断が誤っていたと認めた。
「2台のマシンがフロントローに並びながらも勝てなかったという事は、我々の側に何らかの誤りがあったという事だ」
「幾つか判断ミスがあり、その代償を支払う事になった」
「シャルルには申し訳なく思っている。これは彼にとってのホームレースだった。彼にとっては特に重要なレースだったし、我々全員にとってもそうだった」
怒りと失望に駆られながらも、ルクレールはチームを愛していると付け加えた。
「こんなことしている場合じゃない。今置かれている状況を思えば尚更にね。これほどまでにペースが強力なんだから、チャンスを逃すわけにはいかないし、こんなに大量のポイントを失うわけにもいかないんだ」
「僕はチームを愛しているし、もっと強くなって戻ってこれると確信している。でもこれはあまりにも痛い」
5月29日(日)にモンテカルロ市街地コースで行われた2022年F1第7戦モナコGPの決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたセルジオ・ペレス(レッドブル)が通算3勝目を上げた。2位はカルロス・サインツ(フェラーリ)。3位表彰台にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が滑り込んだ。
バクー市街地コースを舞台とする次戦アゼルバイジャンGPは6月10日のフリー走行1で幕を開ける。