マイケル・マシ、赤旗時のレッドブル・ホンダに対する”順位返上オファー”について説明
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FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシは、F1サウジアラビアGPの赤旗中断中にレッドブル・ホンダに対してポジションを戻すよう提案した理由について説明した。
マックス・フェルスタッペンは2回目の赤旗後のリスタートで、エステバン・オコンとルイス・ハミルトンを抑えてポールポジションにつく予定であったが、マシとの一連のやり取りを経て自ら3番手に後退した。
それは赤旗が出る直前の1回目の再スタート時のターン1・2のインシデントによるものだった。
ハミルトンに並びかけられたフェルスタッペンは行き場を失いコース外に出た後、ハミルトンの前に出てラップリーダーの座に留まった。そしてこの混乱に乗じてオコンがハミルトンの前に出た。
コース外に出て不当にアドバンテージを得た場合、ペナルティを科される前にポジションを返上するのが通例だが、そんな間もなくシャルル・ルクレールとセルジオ・ペレスのクラッシュが発生し、レースは赤旗中断となった。
中断の最中にマシはレッドブルに対し、ポールポジションを放棄してハミルトンの後ろに下がるという申し出を受け入れる用意が我々にはあるが、どうだろうか?と問うた。ペナルティを科す代わりに、自らポジションを戻せという意味だった。
レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表はレース後「まるでスーク(アラブ諸国の青空市場)にいるような感じだった。普通じゃない。こんな場面に出くわした事はこれまで経験がない」と皮肉ったが、マシは「普通の事」だと考えている。
レース後、”取引”を申し出た理由について説明を求められたマシは「私はレースディレクターであり、チームに何かを指示する権限はなかったから、あれは取引とは言えない」と答えた。
「私は彼らにオファーすることは出来るが、選択するか否かは彼ら次第だ。ペナルティを科す権限は当然、(私ではなく)スチュワードにあるが、私には彼らに私の見解を伝える事はできる。だからこそ、私は彼らにポジションを返上するよう提案したんだ」
「これはごく普通に行われている議論だ」