悪夢アルファタウリ、得点圏内から揃って脱落…失望を隠さない角田裕毅とピエール・ガスリー
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スクーデリア・アルファタウリにとって5月8日(日)に行われたF1第5戦マイアミGPは悪夢のような展開となった。2台共にポイント圏内からスタートしたものの、角田裕毅は12位、ピエール・ガスリーは2度に渡る接触事故を経てリタイヤを余儀なくされた。
コンディションに対してセットアップが合っていなかったのか、タイヤが機能していなかったのか、ミディアムタイヤを履いた第1スティントで角田裕毅はペースが上がらず、ジワジワとポジションを落とした。
13番手にまで後退した角田裕毅に対してピットは、巻き返しを狙って11周目という早い段階でタイヤ交換を行うギャンブルに打って出たものの、ハードタイヤに履き替えてなおペースは遅く、ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)と最下位争いを演じるような状況だった。
一方のガスリーは辛うじてトップ10圏内を走行していたものの、2度の追突を受けリタイヤした。
まず39周目。追い抜きを仕掛けたフェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)がガスリーの右リアタイヤに接触。ポジションを2つ失った。スチュワードはアロンソに非があるとして5秒ペナルティを科した。
続く41周目にはランド・ノリス(マクラーレン)と接触。両者はリタイヤを喫し、バーチャル・セーフティーカー(VSC)を経てSCが導入された。角田裕毅はこれを機にソフトタイヤに履き替えたものの13位でフィニッシュした。
ただ11位フィニッシュしたダニエル・リカルド(マクラーレン)が、コース外走行によってアドバンテージを得たとして5秒ペナルティを受け13位に後退したため、最終12位という結果となった。
失意のレースを終えた角田裕毅は「本当にガッカリです」と語った。
「ペースが上がらず1周目は何台かにオーバーテイクされてしまい、そこから挽回できないままにレースを終える事になりました。FP1から徐々にクルマに対する信頼を深めてこれた事に満足していただけに、今日はパフォーマンスが悪く、悔しいレースになりました」
ガスリーもまた、失望の色を隠さなかった。
「本当に残念な1日になってしまった。アロンソとの接触でクルマにダメージを受けるまでは上手くいっていたのに。残念ながらクルマのダメージが大きすぎてコース上に留まる事も難しく、ピットに戻る途中でノリスと接触してしまった」
テクニカルディレクターを務めるジョディ・エギントンは、次戦スペインGPまでにパフォーマンス不足の原因を究明していくと誓った。
「予選が力強かっただけに今日のレース結果は残念なものになった。ピエールはミッドフィールドでアルピーヌ勢と激しく競り合ったが、パッシングの際にアロンソに接触され、アルピーヌ勢とストロールに順位を奪われた。その後はノリスと接触してクルマにダメージを負い、リタイアせざるを得なくななった」
「ユーキは最初のスティントで苦しみ、早めのピットストップで巻き返しに賭けたものの、2回目のスティントでもペースとマシンバランスが安定せず、前に進む事ができなかった。データを洗いざらい分析して原因を解明しなければならない」
「ユーキはソフトタイヤを履いた最終スティントで幾らかペースを上げたものの、既に残りの周回数は少なく、ポイント圏外に終わってしまった」
「バルセロナに到着するまでにやらなければならない仕事が山積みだ。今日の不振の背後にあるさまざまな要因を理解し、パッケージを前進させ、ポイント獲得につなげていかなければならない」
5月8日(日)にマイアミ・インターナショナル・オートドロームで行われた2022年F1第5戦マイアミGPの決勝レースでは、3番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が通算23勝目を上げた。2位はシャルル・ルクレール、3位表彰台にはカルロス・サインツと、フェラーリの2台がこれに続いた。
カタロニア・サーキットを舞台とする次戦スペインGPは5月20日のフリー走行1で幕を開ける。