RB、角田裕毅の”再びのQ3”に感銘…スプリット戦略を以てF1マイアミGP決勝で更なる得点へ
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ダブル入賞を果たしたF1第6戦マイアミGPスプリントと、角田裕毅が今季4回目のQ3進出を果たした5月4日(土)のセッションを経て車両パフォーマンス部門を率いるギヨーム・デゾトゥーは、2台の戦略を分け日曜の本戦で更なるポイント獲得を目指す考えを明らかにした。
予選に先立ち行われたスプリントでは、ダニエル・リカルドがスタートポジションの4番手を守り抜き、15番グリッドからスタートした角田裕毅が7ポジションアップの8位入賞を果たした。
「今日はジェットコースターのような1日だった。コンストラクターズ選手権で直接のライバルとの差を広げることができ、全体としては本当にポジティブな結果になった」とデゾトゥーは振り返る。
「今朝のスプリントレースは素晴らしかった。ダニエルは良いスタートを切り、ターン1までにポジションを上げてみせた」
「その後、ペレスに交わされてしまったが、レース全体を通してサインツを抑え込んでくれた。彼のディフェンスは本当に力強かった。クリーンなバトルを披露して4位を確保した。これは我々にとって素晴らしい結果だ」
「後方15番手からスタートしたユーキも良い走りを見せてくれた。データを集めて学ぶために、そしてスタートでアタックするために、彼にはソフトタイヤを履かせた」
「前方でのインシデントに伴いオープニングラップで5ポジションを上げると、14周目にはハミルトンとマグヌッセンの両方を追い越して1ポイントが得られる8番手につけた」
「最終ラップでハミルトンに追い越されてしまったものの、レース序盤のセーフティーカー(SC)導入中にピットレーンでスピード違反を犯した事によりルイスがペナルティを受けたため、我々はポジションを取り戻した」
角田裕毅の勢いは予選でも衰えず、アストンマーチン勢を上回る10番手タイムをマーク。第2ラウンドで敗退を喫したスプリント予選の雪辱を果たした。一方でリカルドはスプリント予選4番手ながらも、グランプリ予選は18番手と、Q1ノックアウトに終わった。
デゾトゥーは「予選に関しては大変だった。クルマとタイヤから全てのパフォーマンスを引き出すための適切なマシンバランスを見つけるのが難しかった」と説明する。
「ダニエルは幸先の良いスタートを切ったものの、最終ラップの最終コーナー出口でタイムを大きく失い、Q1で脱落してしまった。競争が如何に激しいものであるかが改めて証明された格好だ」
「ユーキは力強い走りを見せ、またもQ3に進出した。これは素晴らしい結果だ。完璧なラップをまとめるのは依然として難しいようだが、現段階での分析では、誰もが苦戦していたようだ」
驚くべきはスプリントでの角田裕毅のレースペースだった。路面温度が50℃近いコンディションの中でのソフトは厳しいかに思われたが、19周のレースで全くペースを落とさずチェッカーを受けた。少なくともRBにとって、ソフトタイヤが本戦での選択肢となる事は間違いないだろう。
日曜のレースではハードをスタートタイヤとする1ストッパーが考えられるが、後方からの巻き返しが求められるリカルドは他とは異なる戦略でポイント獲得を目指す事になる。
「今夜は明日のレースに向けて様々なシナリオを検討していく」とデゾトゥーは語る。
「ユーキについてはおそらく、よりオーソドックスな戦略を採り、周囲のマシンとの戦いに集中し、ベストなレースタイムを目指していくことになるだろう」
「ダニエルについては、リスクを取ってクルマのペースを活かし、ポジションを上げていく余地がある」
「我々のクルマは良くなっているし、ドライバーもチームも更なるポイント獲得に向けて大いにモチベーションが高まっている」
2024年F1マイアミGP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)がフェラーリ勢を抑えて開幕6戦連続となるポールポジションを獲得した。
決勝レースは日本時間5月5日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周5412mのマイアミ・インターナショナル・オートドロームを57周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。