嬉し涙? 4番手リカルド「まぐれじゃない!」笑顔止まらず、角田裕毅の援護に感謝
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骨折による長期離脱からの復帰2戦目を迎えたF1第20戦メキシコGP予選でダニエル・リカルドは、AT04のポテンシャルを開放し、アゼルバイジャンGPで角田裕毅が記録した8番手を上回るアルファタウリにとっての今季ベスト、4番グリッドを持ち帰った。
リカルドは3回のフリー走行を通して常にトップ10をキープ。予選では、パワーユニットとギアボックス交換により最後尾スタートの見通しが固まっていたチームメイト、角田裕毅の援護を受け、新品ソフトを2セット温存した状態でQ3に駒を進めた。
最終ラウンドでは、ポールポジションのシャルル・ルクレールに0.216秒差の4番手を刻み、今季のダブルチャンピオン・マシンを駆る母国レースのセルジオ・ペレス(レッドブル)を5番手に退けた。最下位に終わった前戦アメリカGPからの見事な反撃となった。
両セッションをトップ8以内で終えた初日後のインタビューの時以上に、予選を終えたリカルドは満面の笑みを浮かべ続けた。
「最初の1周目からクルマの感触が良くてね。先週末は思い通りにいかないことが幾つかあったから、肩の荷が少し下りた気分を感じていたんだ」とリカルドは語る。
「今週末を迎えるにあたって、クルマに戻るのが待ち切れなかった。本当に長い間、感じたことのないような興奮と飢えを感じていてね。だから、その感情を保ったまま、コース上で上手くやることができて本当にハッピーだよ」とリカルドは語る。
「こんな時は嬉し涙を流すか、あるいは興奮して熱くなるかのどちらかだ。確かに僕はそう感じている。今は大量のエネルギーに満ち溢れている。シャツを引き裂きたい気分だよ!」
この日の結果についてリカルドは「クレイジーだ」としつつも「まぐれじゃないと思う」とも述べ、クレイジーという言葉は適切ではないかもしれないと指摘した。
「ありがたい事にユーキはQ1とQ2で僕にスリップストリームを与えてくれた。それによってコンマ1、2秒を得る事ができたのは間違いない」
「でもQ3に関しては自分の力だけで走ったから、その点でまぐれじゃなかった。僕らにはやれるだけのペースがあったんだ」
1ラップペースではミッドフィールドのライバルを圧倒した。だがコンストラクターズ選手権最下位からの脱出に必要なポイントが得られるのは日曜のレースだ。
4位以上でのフィニッシュの可能性についてリカルドは「トップチームはおそらく、ロングランでもう少しペースを発揮してくると思うけど、個人的に言えばクルマの感触は最高だし、自信もある。やってやるつもりだ」と答えた。
「もし明日、4位あたりでフィニッシュできれば本当にハッピーだけど、今はそこまで先の事は考えるつもりはないから、楽しみながらも集中していきたい」
「まだ仕事の半分が終わっただけだから、明日に向けてこの熱意を使い切るつもりはないよ!」
2023年F1メキシコGP予選ではシャルル・ルクレールが2戦連続のポールポジションを獲得し、2番手にカルロス・サインツが続いた事でフェラーリがフロントロウを独占する結果となった。
決勝レースは日本時間10月29日(日)29時にフォーメーションラップが開始され、1周4304mのエルマノス・ロドリゲス・サーキットを71周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。