レーシングポイントは”優れている方のドライバー”を解雇した、とマクラーレン…ペレスにインディカー参戦オファーの用意あり
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マクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOは、セルジオ・ペレスはランス・ストロールよりも優れたドライバーであるとして、レーシングポイントによって解雇された30歳のメキシコ人ドライバーの境遇を思いやると共に、ペレスにインディカー参戦をオファーする用意がある事を明らかにした。
財政破綻寸前に陥った旧フォース・インディアを窮地から救い出し、新たなチームオーナーとなったカナダ人大富豪のローレンス・ストロールの下、表彰台獲得に足る高い競争力を持つマシンをようやく手に入れたペレスであったが、チームは3年契約を途中解除する形でペレスを放出。セバスチャン・ベッテルと契約を結んだ。
© Renault / レーシング・ポイントのオトマー・サフナウアー代表(左)とマクラーレンのザク・ブラウンCEO(右)
ブラウンCEOはペレスのシート喪失について「高い競争力を発揮していたドライバーの方がシートを失ったわけで、これは残念なことだと思う。だが周知の通り、彼の父親はレーシングチームを所有しているわけではない。彼ら(レーシングポイント)がベッテルの獲得を望んだ時、ペレスがチームを追われる事は明らかだった」と語った。
ブラウンCEOの指摘通り、レーシングポイントがチームオーナーの息子であるランスの放出を検討した事は一度もなかった。
レーシングポイントのオトマー・サフナウアー代表は「数年間を我々と共にしているランス(ストロール)はまだ若く、このチームは彼の父親が所有している。セブ(ベッテル)が利用可能になった事でドライバー変更を検討するに至ったが、その対象は常にチェコだった。彼の契約にはランスのそれにはない解除条項があったのだ」と説明している。
ペレスの実力と実績、そして背後につくスポンサーを考慮すれば、本人が望みさえすれば来季グリッドに残る事は容易いように見えるが、ペレスはF1残留を望んでいるとしながらも「強力なパッケージを持つチームへの移籍」を望んでおり、場合によっては他のシリーズへの参戦を検討するとしている。
ブラウンCEOはペレスの今後について「恐らくはハースかアルファロメオのどちらかに移籍してF1に留まるだろう」と予想する一方で、「もし彼がインディカーに興味を持っているとしたら、我々としては是非とも彼と話をしたいと思っている。彼は素晴らしいレーシングドライバーだからね」と述べ、アロー・マクラーレンSPのシートをオファーする用意がある事を明かした。
マクラーレンSPはオリバー・アスキューとパトリシオ・オワードのラインナップで今季のインディカー・シリーズを戦っており、ペレスを起用するためには3台目の予算を確保する必要がある。