頑張れば買える? マクラーレンF1搭載「ポルシェTAGエンジン」がオークションに

マクラーレンF1搭載の「ポルシェTAGエンジン」1984年~1987年Courtesy Of RM Sotheby

ホンダエンジンを搭載して、アイルトン・セナと共に1980年代後半~90年代前半のF1を席巻したマクラーレン。その直前の1984年から1987年までの4シーズンに渡って英国ウォーキングのチームが使っていたのが、TAGのバッジネームを付けたポルシェ製1500ccターボエンジンだ。

1982年末、ターボ勢に対抗すべくマクラーレンは、マンスール・オジェ率いるTAGの協力を取り付け、ポルシェに新型エンジンを開発させた。1983年のオランダGPでデビューした「ポルシェTAGエンジン」はその後、1987年までに表彰台54回、優勝25回、コンストラクターズタイトル2回、ドライバーズタイトル3回をもたらした。

RMサザビーズ主催の6月3日から11日に開催されるオンラインオークション「The European Sale」に出品された個体は、ニキ・ラウダ、アラン・プロスト、ケケ・ロズベルグ、ステファン・ヨハンソンがテストと実戦で使用した本物で、落札価格は2万5千ユーロから5万ユーロ(約300万円~600万円)が予想されている。

ロット情報によると、このエンジンは1984年4月30日にマクラーレン・インターナショナルに納入され、ラウダが最初にテストを実施。初の実戦投入は1986年で、通算4シーズンに渡って活躍した。1987年9月1日にモンツァで開催されたイタリアGPをプロストと共に走り、走行距離6,319kmで役目を終えた。

ラウダはドイツ、プロストはポルトガルで表彰台を獲得。1984年のラウダ、そして1985年-86年のプロストのF1ワールドチャンピオン獲得の原動力となった。

現在のオーナーは2010年に英国人コレクターから譲り受けた後、ポルシェ博物館の協力を得てその使用履歴を調査。母国ドイツでコスチュームレストアを実施した。クランクシャフトやピストンなどの内部部品は現オーナーが購入する前に売却されていたため本個体には含まれておらず、出品されるのはシリンダーブロックなどのエンジンケーシングのみ。実際に使用する事が出来ないのは残念だが、それでもなお、その歴史的価値が衰える事はない。

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了