ニキータ・マゼピン、衝突寸前の危険走行でペレスから”バカ”呼ばわりされるも 原因はハースチーム?
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F1ポルトガルGP決勝レース中盤に接触事故に繋がりかねないインシデントを引き起こしたとして、セルジオ・ペレス(レッドブル・ホンダ)から「バカ」呼ばわりされたニキータ・マゼピン(ハース)だが、責任はチーム側にもあったようだ。
周回遅れのマゼピンは後方確認を怠り、リードラップを走るペレスとホイール・トゥ・ホイールでターン3にアプローチ。ペレスが急ブレーキを掛けた事で接触は免れたが、一件は青旗無視として審議の対象となった。
レースディレクターからの報告を受け映像証拠を確認したスチュワードは、FIA国際競技コード付録H第5条5項1.dへの違反があったとして、ハースの新人ドライバーに5秒のタイムペナルティーと1点のペナルティーポイントを科す(累積点1点)裁定を下した。
なおマゼピンは単独で最後尾を走行していたため、5秒ペナルティがリザルトに影響を与える事はなかった。
スチュワードはインシデントについて「9号車(マゼピン)がピットアウトした際、11号車(ペレス)はメインストレートに接近していた。9号車がターン3のエイペックスにアプローチしようとした時、11号車はコーナー入口でイン側からオーバーテイクしようとしていた。11号車は追い越しを断念し、衝突を避けるためにロックアップせざるを得なかった」と説明し、次のように補足した。
「規則違反を軽減するものではないが、無線での(チームからの)警告は9号車が対処に間に合うようなものでなかった事を指摘しておく」
レースを終えたマゼピンは次のように述べ、チームからの警告が間に合わなかったとは言え、自身に責任があることは間違いないとしてペレスに謝罪した事を明かした。
「極めて単純な話で、あれは完全に僕のミスだった。チームから警告を受けたわけじゃないけど言い訳はできない。僕の責任だ。チェコにはもう謝った」
当のペレスもマゼピンからの謝罪を受け入れたと語った。
マゼピンは自身のレースについて「ラップタイム的にはポジティブなレースだったと思う。上位争いをしているわけじゃないし、計画を”プランC”に変更した」と振り返った。
「そのおかげで何ラップか自由に走ることができ、クルマの挙動や改善すべき点を確認する事ができた。最初の数ラップは良かったけど、それ以降のドライビングについては改善の必要があった。でもそれには経験が必要だ」
「学ぶという意味ではまずまずのレースだったと思う。自分自身として改善できることがまだたくさんある」
チーム代表のギュンター・シュタイナーは”プランC”について「度重なるブルーフラッグの影響でC1タイヤが冷え過ぎてしまうリスクがあったため、全力でドライブできるよう彼に新しいタイヤを履かせた」と説明し「結果には表れていないが、ニキータも成長している」と付け加えた。