瀕死の事故から2年…ファン・マヌエル・コレア、最高峰F1の夢に向けてザウバー・アカデミーと契約

アルファロメオの開発ドライバーを務めていたファン・マヌエル・コレア、2019年3月29日バーレーン・インターナショナル・サーキットにてCourtesy Of Alfa Romeo Racing

アルファロメオの名を掲げてF1世界選手権を戦うザウバー・モータースポーツはF1第7戦フランスGP開幕当日を迎えた6月18日(金)、ファン・マヌエル・コレアのザウバー・アカデミー入りを発表した。

ザウバー・アカデミーは次世代のF1ドライバーを育成することを目的に2020年に設立されたジュニアプログラムで、チーム代表兼CEOのフレデリック・バスールと、スポーティング・ディレクターのビート・ゼンダーによる直接指導が行われている。

今年、ARTグランプリからFIA-F3選手権に参戦している米国籍エクアドル出身の21歳は、2019年にザウバーと開発ドライバー契約を結び、同年8月のポール・リカール・サーキットでのプライベートテストで初めてF1マシンをドライブした。

当時FIA-F2選手権に参戦していたコレアは62周を走り込み、キミ・ライコネンやアントニオ・ジョビナッツィのエンジニア達に感銘を与えたものの、同じ年のF2スパで故アントワーヌ・ユベールと共に悲劇的な事故に巻き込まれた。

両足の骨折と軽度の脊椎損傷を負ったコレアは、一時は誘発的昏睡状態に置かれ体外式膜型人工肺(ECMO)によって生命を維持する状態であったが、幸いにも意識を取り戻すまでに回復。医師から足切断の選択肢を提示されるも、これを拒絶し、2肢を保存する方向で手術を嘆願した。

あの事故から2年。奇跡的な回復を遂げたコレアは再びザウバー・アカデミーの支援を受け、最高峰F1を目指していく事になる。

「ザウバー・アカデミーは僕が唯一、そして初めてF1テストを行った2019年に所属していたジュニアプログラムだ。再び一緒に仕事ができる事になり本当に嬉しく思っている」とコレア。

「今週末のフランスGPから自分のヘルメットやマシンにアカデミーのブランディングを掲げる事になり本当に胸が高まっている。シミュレーター作業であれ何であれ、必要に応じて常如何なる時でもチームを手助けしていきたいと思ってる」

「ARTとセバスチャン・フィリップ(ARTのチームマネージャー)、そしてフレデリック・バスールには心から感謝している。それにビート・​ゼンダーをはじめとするザウバーの皆には事故以来、素晴らしい支援をもらっていた。このチームに戻れることを光栄に思う」

ビート・ゼンダーは「ファン・マヌエルの見事な復帰は、彼の強さを物語る感動的なストーリーだ。我々は彼の粘り強さに心から敬意を表しており、キャリア再開に向けてザウバー・アカデミー・プログラムを通じて彼を支援できることを嬉しく思っている」との談話を発表した。

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