アルファタウリ、F1日本GP決勝は戦略的に不利と予想…角田裕毅の好位置活かせるか
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スクーデリア・アルファタウリのチーフ・レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズは9月24日に行われるF1日本GPに向けて、自分たちは戦略的に若干不利な立場にあるとの考えを示した。
23日(土)の予選では角田裕毅がモナコGP以来、10戦ぶりのQ3進出を果たして9番グリッドを掴み取った。僚友リアム・ローソンも11番手につけ、アルファタウリは今年、初めて2台揃ってトップ11に入った。
初日フリー走行を終えた段階ではローソンが15番手、角田裕毅が18番手と、Q2進出も危ぶまれる状況であったが、チームは見事に立ち戻ってみせた。
このプロセスについてエドルズは「なぜ期待されたペースを発揮できず、FP2で一歩後退したのかを理解するために、エンジニアたちは夜通しで分析作業に取り組み、FP3に向けてかなりのセットアップを変更した」と説明した。
「その結果、クルマは改善された。ただセットアップの評価のためにミディアムとソフトを使った事で、予選に向けて残すタイヤセットに影響が及んだ」
「他の殆どのクルマが2セットのソフトコンパウンドを使用したため、1セットしか使わなかった自分たちのポジションを正確に把握するのは難しかった」
「我々はソフトタイヤのパフォーマンスを最大限に引き出せなかったため、路面温度の低下が予想される中、予選で上手くやるにはどうすればよいかを理解するための作業に取り組まなければならなかった」
「両方のドライバーが5セットのソフトコンパウンドを持って予選に臨んだ。我々はリアムに関して、Q1で3セットのソフトタイヤを履かせることが最も安全だと判断した」
「リアムが2セット目のアウトラップを走っている時に赤旗が出たが、それでも残り時間的には1回のピットストップを挟んで2回の計測ラップを走れるだけの余裕があった。チームはこれにうまく対処し、2台共にQ2に進んだ」
「ドライバー達はQ2で全力を尽くした。我々が争っていたエリアはかなりの接戦だったが、追加の新品ソフトによってユーキはQ3に進むのに十分なパフォーマンスを引き出した。リアムの方は1000分の43秒差でQ3進出を逃した」
「風が僅かに強まった事で、Q3ではQ2のベストタイムを塗り替えることができなかったが、最終的には前のメルセデスからコンマ1秒以内につけて、中団チームをリードするポジションを得ることができた。チームはAT04の開発と改善を続けていることを誇りに思うはずだ」
角田裕毅はオーバーテイクが楽ではない鈴鹿でのレースをポイント圏内からスタートする。土曜の勢いを繋げてポイント獲得を期待したいところだが、長く険しい53周になるのは避けられそうにない。
決勝に向けてエドルズは、タイヤの選択肢が限られているためライバルに対して戦略的に不利との考えを示した。
「明日は路面温度が高く、また燃料が重くなるため、今日とは異なる1日になる。タイヤのデグラデーションは大きな課題になることだろう」とエドルズは語る。
「我々はハードコンパウンドが1セットしか残っていないため、ほとんどのチームに対して若干不利な立場にある。この制約の中でリザルトを最大化するための戦略策定に取り組んでいく」
レースではメルセデス、アストンマーチン、アルピーヌあたりとの争いが予想されるが、これら3チームはランス・ストロールを除いて、いずれも新品ハードを2セット温存している。
2023年F1日本GP予選ではマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が2年連続のポールポジションを獲得。2番手にオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、3番手にそのチームメイトのランド・ノリスが続く結果となった。
決勝レースは日本時間9月24日(日)14時にフォーメーションラップが開始され、1周5,807mの鈴鹿サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。