トロロッソ、高速の鈴鹿に新パーツを投入「空力効率が改善、最新PUと相まって競争力が向上」
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スクーデリア・トロロッソの主任レースエンジニアを務めるジョナサン・エドルズが5日(金)に行われたF1日本GP初日プラクティスで実施した作業内容を説明した。トロロッソ・ホンダ勢はホンダの最新型パワーユニットを搭載し、ブレンドン・ハートレーが10番手、ピエール・ガスリーが13番手で初日を締め括った。
1周の大部分をコーナリングでの走行に時間を費やす鈴鹿サーキットでは、高いレベルのエアロダイナミクスが求められる。トロロッソは、高い速度をキープしたままマシンがコーナーに侵入できるよう新しい空力パーツを投入。FP1でその効果を検証した。
セッションを振り返ったエドルズは、新パーツは期待取りの成果を上げているとして、土曜FP3以降のセッションでも継続投入すると明言。ホンダの最新型”スペック3″エンジンのパワーアップと相まって、トロロッソ・ホンダSTR13はホンダのお膝元で可能性に満ちた走りを見せている。
高速の鈴鹿に新パーツを投入、エアロを改善
ジョナサン・エドルズチーフレースエンジニア
FP1は凄く生産的なセッションだったよ。エアロやメカニカル・セットアップのテストを行った他、ブレンドンにはインストレーションラップで車体のレーキ角に関する作業に協力してもらった。風洞及びCFDと、実際のトラック上での走行との相関精度を改善するためにデータを集める作業を行った。
鈴鹿サーキットは凄く高速なトラックだから、空力面でかなりの安定性が求められるんだ。そのため、今回は新しいパーツを持ち込み作業に取り組んだ。パーツは全て上手く機能していたから、残しのセッションでも2台のマシンに継続して搭載する予定だ。
今日のその他の目玉は、ホンダの最新バージョンのパワーユニットだ。今回鈴鹿に合わせて再投入した。ホンダはこの前のロシアGP以降、ダイナモを使ってマッピングとキャリブレーションの改善に尽力してくれた。新しく変更された部分すべて期待通りに機能していて、スペック3のドライバビリティとパフォーマンスは改善している。ホンダにお礼を言わなきゃね。
FP2ではブレンドンが順調に走行を重ね、生産的なセッションを過ごした。マシンバランスは改善しておりタイムも良かった。でもその一方で残念な事に、ピエールの方はコースインの際にエンジンに火を入れたところ、燃料システムのトラブルが出てしまった。パーツ交換を余儀なくされてしまい実り多いセッションとはならなかった。
通常、交換には少なくとも2時間はかかるんだが、メカニックの皆が記録的な速さで作業を終え素晴らしい仕事をみせてくれた。おかげでセッション終盤にピエールをコースに送り出すことができたよ。
ライバルがレースシミュレーションに取り組む中、ようやくDRSを使ったクイックラップに入れた位に遅れてしまったから、プログラムの消化という意味ではかなり妥協を強いられる事になった。トラフィックが酷い状況ではあったけど、何とかタイムを計測する事ができたし、ピエールも少ない時間の中で感触を掴んでいた点は不幸中の幸いだった。
他のチームと比べて我々のマシンには競争力がありそうだし、明日のFP3以降のセッションを順調に走行できるように今夜は夜通しで仕事に取り組むつもりだ。
初日をトップで締め括ったのはメルセデスAMG勢。ルイス・ハミルトンがファステスト、バルテリ・ボッタスが2番手を連取し2回のセッションで共に1-2を果たした。スクーデリア・フェラーリとのギャップは著しく大きく、跳馬には既に赤信号が灯っている。
F1日本グランプリ3回目のフリー走行は、10月6日(土)12時から1時間に渡って、公式予選は同15時から鈴鹿サーキットで開催される。台風25号の影響が懸念されているが、土曜午後の鈴鹿の降水確率は40%台に低下しており、場合によっては全車フルパフォーマンスを発揮してのグリッド争いが見られるかもしれない。