止まらないF1日本グランプリの観客動員数…2017年も過去最低を更新。不振続くF1人気
Published: Updated:
他国同様に、日本におけるフォーミュラ1人気の低下に歯止めがかからない。10月6日から8日までの3日間の日程で開催された2017年第16戦F1日本グランプリの観客数は、のべ13万7000人。過去最低となった昨年をさらに8,000人下回る結果となった。
練習走行が行われるグランプリ初日の6日(金)の鈴鹿市は雨、2万6,000人が三重県鈴鹿サーキットに足を運んだ。予選が行われた7日(土)は曇りで4万3,000人、そして決勝レースが開催された8日(日)は晴れの6万8,000人となった。
初めて鈴鹿でF1が開催された1987年は22万2,000人が詰め掛け、1994年までは上昇傾向にあった。その後は若干の停滞を経験しながらも、2006年に過去最高となる36万1,000人を記録。静岡県の富士スピードウェイに舞台を移した2007年と08年の2年間で観客は4割近くも減少、舞台が鈴鹿に戻った2009年も回復することなく年々減少の一途を辿っている。
1987年から2017年までの観客動員数の推移。2004年の土曜は台風の影響で中止となっている。
価値観の多様化、日本人F1ドライバーの不在、プロモーション市場としての価値の低下、無料放送の終了、高額なチケット代、若者の自動車離れ等、観客数低下の原因は多岐にわたると考えられている。
かつては、オリンピックやサッカー・ワールドカップに並ぶ人気を誇っていたフォーミュラ1だが、人気低下は日本のみならず世界的な傾向である。2012年から2013年にかけてのF1の世界テレビ視聴者数は5億人から4億5,000人に減少、僅か1年で10%も下落した。13年から14年にかけては5.6%減の4億2,500万人となっている。
昨年末に米エンターテイメント界の雄リバティ・メディアが支配権を手にして以降、F1は人気回復のための施策を立て続けに実施している。日本では大手外食チェーンの”すかいらーく”の買収を手掛けたことで知られている。
今年の日本グランプリでは、かつてサッカーのドイツ代表を務めたヴィッセル神戸のルーカス・ポドルスキや、日本のモータスポーツ界でも人気の高い佐藤琢磨が来場、国歌斉唱にはクレイジーケンバンドの横山剣を起用、また、決勝前のオープニングセレモニーでは陸上自衛隊所属のアパッチ・ロングボウ他4機が上空を滑空するなど、これまで以上に関連イベントを充実させエンタメ重視の姿勢をみせた。
来場成果が出始めるのは来季以降と目されるが、果たしてF1復権はあり得るのだろうか?