レッドブル「間違いなく楽にはいかない」妥協の”トレード”は報われるのか?
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10日(土)のF1イタリアGP公式予選を経てレッドブル・レーシングのクリスチャン・ホーナー代表は、モンツァでのオーバーテイクは難しいとの認識を示し、2台揃っての降格からの巻き返しの道のりは困難なものになるだろうとの予想を口にした。
超高速のモンツァを舞台にしたグリッド争いでは、地元フェラーリのシャルル・ルクレールがポールポジションを獲得。マックス・フェルスタッペンは2番手、セルジオ・ペレスは4番手に留まった。
両者ともにパワーユニット交換ペナルティを受けるため、フェルスタッペンは7番グリッド、ペレスは13番グリッドに後退する。ホーナーは今回のペナルティ消化が戦略的な判断によるものだと強調した。
「オーバーテイクが難しいシンガポールや日本でペナルティを受けたくはないし、我々が置かれた状況を考慮して戦略的にベストなレースでペナルティを消化する事にした」
降格処分が下される事は予め分かっていたため、レッドブルは2台のクルマをレース仕様に仕上げた。
ダウンフォースを増やした事でタイヤのデグラデーションは緩和されるだろうが、その反面、追い抜きに欠かせないトップスピードは犠牲となる。両者は相容れないトレードオフの関係にある。
「予選でフェラーリがとりわけ速いであろう事は分かっていたし、実際にその通りになった」とホーナーは語る。
「ただ我々は明日のレースでドライバーにより良いクルマを用意するために、予選を少し妥協する事を選んだ。このトレードが報われるかどうか見てみよう」
「ここでのオーバーテイクは難しいだろう。確かにスパの方がオーバーテイクし易いだろうが、理論的にはここでもオーバーテイク可能な位置にまでは持っていけるはずだ」
「だが、間違いなく楽にはいかないだろう」
「我々のクルマはレースを見据えたものだから、明日は上手く前進して行けることを願っている」
グリッド降格を受けるのはフェルスタッペンとペレスだけではない。今週末のモンツァでは2週間前のスパを上回る9台がペナルティを受けた。
「グリッドが入り乱れているため、明日はエキサイティングなレースになるかもしれない」とホーナーは続ける。
「フェラーリもそうだが、我々も2セットの新品ソフトを温存している。それがどういう役割を果たすか楽しみだ」
2022年F1イタリアGP予選ではシャルル・ルクレール(フェラーリ)がポールポジションを獲得。2番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3番手にカルロス・サインツ(フェラーリ)が続く結果となった。
イタリア・グランプリの決勝レースは日本時間9月11日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。