インディ500予選:主役は佐藤琢磨!タイム抹消から一転 壁に接触しながらも2日目出走権を確保

予選開始のグリーングラッグが振られたインディアナポリス・モーター・スピードウェイ、2022年5月21日インディ500予選Courtesy Of Penske Entertainment

良くも悪くも主役は佐藤琢磨(デイル・コイン・レーシング with RWR)だった。雨で混乱に見舞われた7時間のセッションで、一時は暫定10番手を刻むもタイム抹消となり、逆襲のアテンプトでリアを壁にぶつけながら見事12番手をマーク。2日目の出走権を手にした。

インディアナ州現地5月21日(土)に2022年第106回インディ500の予選1日目のセッションが行われた。嵐の到来が予想されたため開始時刻が1時間前倒しとなり、途中、雨で中断される展開の中、2日目の”トップ12クオリファイング”への進出権を懸けて33台がしのぎを削った。

2022年インディ500予選1結果
Pos. Driver Speed
1 リーナス・ヴィーケイ
Ed Carpenter
233.655 mph
376.031 km/h
2 パトリシオ・オワード
McLaren SP
233.037 mph
375.037 km/h
3 フェリックス・ローゼンクビスト
McLaren SP
232.775 mph
374.615 km/h
4 アレックス・パロウ
Chip Ganassi
232.774 mph
374.613 km/h
5 トニー・カナーン
Chip Ganassi
232.625 mph
374.374 km/h
6 ジミー・ジョンソン
Chip Ganassi
232.398 mph
374.008 km/h
7 エド・カーペンター
Ed Carpenter
232.397 mph
374.007 km/h
8 マーカス・エリクソン
Chip Ganassi
232.275 mph
373.81 km/h
9 ロマン・グロージャン
Andretti
232.201 mph
373.691 km/h
10 スコット・ディクソン
Chip Ganassi
232.151 mph
373.611 km/h
11 ウィル・パワー
Team Penske
231.842 mph
373.114 km/h
12 佐藤琢磨
Dale Coyne Racing with RWR
231.708 mph
372.898 km/h
13 デイビット・マルカス
Dale Coyne with HMD
231.607 mph
372.735 km/h
14 ジョセフ・ニューガーデン
Team Penske
231.58 mph
372.692 km/h
15 サンティノ・フェルッチ
RLL Racing
231.508 mph
372.576 km/h
16 シモン・パジェノー
Meyer Shank
231.275 mph
372.201 km/h
17 JR.ヒルデブランド
A.J. Foyt
231.112 mph
371.939 km/h
18 コナー・デイリー
Ed Carpenter
230.999 mph
371.757 km/h
19 カラム・アイロット
Juncos Hollinger Racing
230.961 mph
371.696 km/h
20 アレキサンダー・ロッシ
Andretti
230.812 mph
371.456 km/h
21 グレアム・レイホール
RLL Racing
230.766 mph
371.382 km/h
22 セージ・カラム
Dreyer & Reinbold Racing
230.464 mph
370.896 km/h
23 マルコ・アンドレッティ
Andretti
230.345 mph
370.704 km/h
24 デブリン・デフランチェスコ
Andretti Steinbrenner Autosport
230.326 mph
370.674 km/h
25 コルトン・ハータ
Andretti w/ Curb-Agajanian
230.235 mph
370.527 km/h
26 スコット・マクラフリン
Team Penske
230.154 mph
370.397 km/h
27 エリオ・カストロネベス
Meyer Shank
229.63 mph
369.554 km/h
28 カイル・カークウッド
A.J. Foyt
229.406 mph
369.193 km/h
29 ダルトン・ケレット
A.J. Foyt
228.916 mph
368.405 km/h
30 ファン・パブロ・モントーヤ
McLaren SP
228.622 mph
367.931 km/h
31 クリスチャン・ルンガー
RLL Racing
227.053 mph
365.406 km/h
32 ジャック・ハーヴィー
RLL Racing
226.851 mph
365.081 km/h
33 ステファン・ウィルソン
DragonSpeed

4周平均スピードを争うインディ500予選。トップに立ったのはリーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター)で、233.655mphと抜きん出た速さを記録した。2番手パトリシオ・オワード(マクラーレンSP)に対して0.6マイル近い差を付けた。

Courtesy Of Formula Motorsport Limited

マシンに乗り込むリーナス・ヴィーケイ(エド・カーペンター)、2022年5月21日インディ500予選1

第10走者として挑んだ2度のインディ500ウィナーは平均速度232.196mphをマーク。10番手につけたものの、第12走者マルコ・アンドレッティ(アンドレッティ・オートスポーツ)の走行を妨害したと判断され、ラップ無効の判定が下った。

アンドレッティが計測を開始する際、佐藤琢磨はルールに従ってピットエントリーレーンに戻らずコース上に留まった。これによってアンドレッティはブレーキを踏む事になった。なおアンドレッティは一件とは無関係のプレナムトラブルに見舞われた事で大幅にスピードを失い、2回目のアテンプトで23番手を獲得した。

周囲に雨雲が迫る中、ノータイムの崖っぷちに追い込まれた佐藤琢磨は2回目のアテンプトに挑み、1周目に232.482mph、2周目に231.890mphを刻んだ後、3周目のターン2で右リアタイヤをSAFERバリアに接触させた。

かなり激しい接触であったものの佐藤琢磨はアクセルを戻さず、そのままラップを続けて3周目に231.244mph、そして4周目に231.221mphをマーク。平均速度231.708mphで見事、12番手ギリギリに滑り込んでみせた。

その20分後に雨が降り出すとセッションは中断。残り2時間で再開されるも、10分ほどで再びイエローとなり、結局終了時刻を待たずにチェッカーが振られ、予選第2ラウンド進出を目指すライバル達のチャンスは潰えた。

トップ3はシボレーエンジン勢が占拠した。ホンダ勢は7台がラウンド2の出走権を手にした。500デビューの元F1ドライバー、ロマン・グロージャン(アンドレッティ・オートスポーツ)とNASCARカップシリーズ7冠のジミー・ジョンソン(チップ・ガナッシ)もトップ12を確保した。ホンダを搭載するガナッシ勢は5人全員がトップ12に入った。

佐藤琢磨以外には、2名のインディ500ウィナーがラウンドオブ12に進出した。6度のシリーズチャンピオンで2008年の500ウィナーであるスコット・ディクソンは10番手。2018年大会の勝者でポイントリーダーのウィル・パワーは11番手につけた。

好調マルカス「佐藤琢磨なしにはあり得ない」

コルトン・ハータ(アンドレッティ・オートスポーツ)はバルブの脱落と思われるエンジントラブルに見舞われた。25番手とラウンド1敗退となった。

ファン・パブロ・モントーヤ(マクラーレンSP)は直前のプラクティスでオーバーレブに見舞われ、エンジンが破損した可能性があったため、交換のために第9走者の権利が取り上げられた。幸いにも修復は終わり計測に向かったものの、30番手と後方に沈んだ。

Courtesy Of Penske Entertainment

ファンからのサインの求めに応じる佐藤琢磨、2022年5月21日インディ500予選1

この日のセッションで13番手から33番手までが決定した。佐藤琢磨を含む上位12台は日曜の予選2日目に挑戦する。まずは初日リザルトの逆順で”トップ12クオリファイング”が行われる。その後、上位6名による最終「ファスト6」がトップ12クオリファイングのリザルトの逆順で行われる。

インディ500予選2日目は日本時間22日(日)29時(午前5時)よりBSスカパー!で、決勝は日本時間5月29日(日)24時よりGAORA SPORTSで生中継される。視聴には「スカパー!」の他、光回線を使った「ひかりTV」「auひかり」なら、面倒なアンテナ設置なしでインディカーを楽しむ事もできる。また決勝はHulu ライブTVでもストリーミング配信される。

スカパー!で詳しく見てみる

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