マクラーレン、角田裕毅の赤旗事故を経て12年ぶり最前列独占!大物2名がQ1敗退の波乱 / F1ハンガリーGP 2024《予選》結果と詳報

ハンガロリンクのターン5でクラッシュした直後の角田裕毅(RBフォーミュラ1)の22号車VCARB 01、2024年7月20日F1ハンガリーGP予選copyright FORMULA 1

2024年FIA-F1世界選手権第13戦ハンガリーGPの予選が7月20日(土)に行われ、ランド・ノリスが通算3回目のポールポジションを獲得。オスカー・ピアストリが0.022秒差の2番手に続いたことでマクラーレンが2012年のブラジルGP以来、12年ぶりに最前列独占を果たした。

ダンプコンディションのQ1とドライのQ2を経て、ハンガロリンクでのポール争いは5分後に雨が降るとの予報の中でスタート。角田裕毅(RBフォーミュラ1)はカナダGP以来、4戦ぶりのQ3進出を果たしたものの、Q3を赤旗中断に導くクラッシュを喫した。

2回目のフライングラップのターン5の出口でアウト側に飛び出し、芝生とフロアが触れて車体が持ち上がりバリアに激突した。大きな事故ではあったが、幸いにも角田裕毅は無事にコックピットから降りた。

ミスによるものなのかどうかは分からないが、何らかの理由でフロントのグリップが足らずに膨らんだものと思われる。赤旗が振られて時計の針は残り2分13秒で止められた。

結果としては10番手ながらも、車体の損傷は激しく、リアを強打していることからギアボックス交換も懸念され、同じスペックのスペアパーツがない場合など、パルクフェルメ規定違反によりピットレーンスタートになる可能性もある。

赤旗再開後の路面状況は芳しくなく、チームメイトを交わして9番手をマークしたダニエル・リカルドを除いて自己ベストを塗り替えた者はおらず、ノリスがポールを掴み取った。

Courtesy Of McLaren

マクラーレンとしての1-2フィニッシュを経て健闘を称え合うオスカー・ピアストリとランド・ノリス、2024年7月20日F1ハンガリーGP予選

マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は赤旗に妨げられることなく2回目のラップをフィニッシュしたが、ノリスに対して1000分の46秒及ばず3番手に留まり、他車がセッション再開後にコースに向かった一方、早々にクルマを降りた。

トップ4以下は僅差のトップ3からコンマ4秒遅れた。カルロス・サインツ(フェラーリ)は残りのフィールドのトップに立ち、ルイス・ハミルトン(メルセデス)と僚友シャルル・ルクレールをリードした。

初日は路面温度が60℃にまで達する灼熱のコンディションであったものの、予選開始を1時間後に控えて現地ハンガロリンクには小雨が降り出し、気温は24℃、路面は30℃にまで低下。この変化の恩恵を最も享受したのはアストンマーチンだった。

フェルナンド・アロンソは14番手に留まったFP3から一転、7番グリッドを持ち帰り、ランス・ストロールも8番手に続いた。

予選Q1:ペレスとラッセル敗退の波乱

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2024年7月20日F1ハンガリーGP予選Q1結果表

路面が軽く濡れる中、各車はソフトタイヤを履いてコースインした。

ターン1で止まりきれず、ローガン・サージェント(ウィリアムズ)が左フロントから軽くバリアに接触すると、セルジオ・ペレス(レッドブル)は特に濡れていたターン8でコントロールを失い、リアから激しくバリアに衝突。2戦連続のQ1敗退を喫した。

サマーブレイク明けにシートを失うとの憶測を過熱させるクラッシュではあるが、同時にRB20が特定のコンディションで如何に不安定なクルマであるかを思い出させるものでもあった。

直前にジョージ・ラッセル(メルセデス)も同じ場所でコントロールを失ったが、こちらは立て直すことができた。ただペレスはそうではなかった。前戦イギリスGPではフェルスタッペンがコプスでクルマを立て直した一方、ペレスはキャッチできなかった。

車両回収のために赤旗が振られ、時計の針は残り6分45秒で止められた。

セッション再開後、ノックアウトのリスクに直面していたザウバー勢、ラッセルがソフトタイヤでコースイン。当初はタイムを縮めるのに苦労していたが、ラッセルがミドルセクターで自己ベストを塗り替えると、ガレージで待機していた残りのクルマが一斉にコースに向かった。

路面が著しく改善する中、ノックアウト・ゾーンに沈んでいたリカルドがトップタイムを更新。角田裕毅は8番手でQ2にコマを進めた。

ラッセルは14番手から10番手にポジションを上げたものの、十分な量の燃料を積んでいなかったため早々にガレージに戻らざるを得ず、7番手にポジションを上げたランス・ストロール(アストンマーチン)に蹴落とされ17番手でノックアウトした。

予選Q2:RBがダブルQ3

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2024年7月20日F1ハンガリーGP予選Q2結果表

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2の路面は、ほぼ完全なドライとなり、ノリスがフェルスタッペンを0.23秒差で抑えてトップ通過を果たした。ピアストリが3番手に続き、フェラーリの2台もトップ5に並んだ。

角田裕毅は中古タイヤでの1回目のラップで暫定10番手をマーク。新品に履き替えて臨んだ最終ラップで8番手をマークした。リカルドは1000分の81秒遅れの9番手でQ3に駒を進めた。

ハミルトンはターン4でリアを失ったが、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)を100分の1秒差で交わして10番手ギリギリでQ2を突破した。バルテリ・ボッタス(ザウバー)も健闘したが、ハミルトンには1000分の77秒及ばず12番手でクルマを降りた。


決勝レースは日本時間7月21日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2024年F1第13戦ハンガリーGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:17.755 1:15.540 1:15.227 22
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:17.504 1:15.785 1:15.249 21
3 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:17.087 1:15.770 1:15.273 21
4 55 カルロス・サインツ フェラーリ 1:17.244 1:15.885 1:15.696 26
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:17.087 1:16.307 1:15.854 24
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:17.437 1:15.891 1:15.905 22
7 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:17.624 1:16.117 1:16.043 18
8 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:17.405 1:16.075 1:16.244 22
9 3 ダニエル・リカルド RB ホンダRBPT 1:17.050 1:16.202 1:16.447 20
10 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 1:17.436 1:16.121 1:16.477 20
11 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 1:17.362 1:16.317 16
12 77 バルテリ・ボッタス ザウバー・フェラーリ 1:17.487 1:16.384 19
13 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:17.280 1:16.429 16
14 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 1:17.770 1:16.543 13
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:17.851 1:16.548 15
16 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 1:17.886 6
17 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:17.968 9
18 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 1:18.037 12
19 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 1:18.049 6
20 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:18.166 6

コンディション

天気小雨
気温24℃
路面温度30℃

セッション概要

グランプリ名 F1ハンガリーGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ハンガロリンク
設立 1986年
全長 4381m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ハンガリーGP特集

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