”マクラーレン時代”に戻ったかのようなリカルドの2025年に向けた契約交渉状況
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ドライバーズ・マーケットが活況を呈するにも関わらずダニエル・リカルドは、2025年の契約について現時点ではまだ、RBともレッドブルとも話し合いの場を持っていないと認めた。
プレシーズン段階では古巣レッドブルへの復帰昇格に向けて力強いスタートを切ることが期待されていたものの、34歳のオーストラリア人ドライバーはチームメイトの角田裕毅に大きく遅れを取る状況が続いている。
新たなシャシーを手に入れた中国では予選で角田裕毅に先行したものの、レースではランス・ストロール(アストンマーチン)に追突されリタイヤに終わり、マイアミではスプリント4位と一気に調子を取り戻したかに思われたが、グランプリ予選ではSQ1敗退を喫してレースも17位に終わった。
続くイモラでは予選、決勝ともに再び角田裕毅に敗れはしたものの、予選ではコンマ2秒遅れの9番手と今季初のQ3進出を果たし、競争力の向上を感じさせているが、チームメイトとの差は歴然で、期待された結果を残せていない事は確かだ。
リカルドについてモナコGPを前にF1デジタルプレゼンテーターのウィル・バクストンは「ダニエルは存在感のなかったマクラーレン時代の彼に戻ってしまったかのようだ。確かにマイアミでは素晴らしかったが、それが唯一のハイライトで、それ以外は残念なシーズンを過ごしているという他にない」と語った。
メルセデスやレッドブルは既にラインナップを決定したとの見方も出ており、2025年の空きシートは日を追うごとに数が減っていく。マーケットは例年よりも遥かに早い時期に動き出しており、生き残りのためには早期の交渉開始が求められるが、リカルドはその状況を作り出せていない。
モンテカルロで、RBのローラン・メキーズ代表やピーター・バイエルCEO、レッドブルのクリスチャン・ホーナー代表やヘルムート・マルコと来季の契約について話をしているか?と問われたリカルドは、少し間をおいて「まだだよ」と答えた。
「最近はシーズン最初の数戦と比べて良くなってきていると思うけど、もっとやれると分かっているし、少なくとももっと一貫性を発揮できると思う」
「マイアミは凄く良かったと思うし、だから自分ができるって事は分かってるけど、今はそれをもっと頻繁に、もっと高いレベルで発揮できるように取り組む事が必要だ」
「そうしたいと思っているけど、まだ十分にやれていないから、まずはこういった自分がやるべき事に集中して、その上でどうなるか見ていきたいと思う」
「二人のドライバーに満足している」としてバイエルは、リカルドとの契約更新の可能性に言及しているが、同時に、昨年の段階で2025年のシートを約束されたとも噂され、リザーブ兼テストドライバーとして舞台裏で活躍するリアム・ローソンは「チームにとって本当に価値のメンバー」であるとも述べている。
リカルドが交渉を開始していないからと言って、RBがどのドライバーとも話し合っていないかと言えばそうではない。バイエルは2025年について「あまり議論していない」と述べ、少なからず話し合いが行われている事を示唆した。