ホンダの米レース会社「HPD」が「HRC US」に社名変更…2024年よりF1含むグローバル四輪活動を担当

HPD社長デイビッド・ソルターズ(左)、HRC代表取締役社長 渡辺康治(右)Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

ホンダは2023年F1日本GPの開幕を翌日に控えた9月21日(木)、2024年に向けて米国の四輪レース開発子会社「Honda Performance Development(HPD)」を「Honda Racing Corporation USA(HRC US)」に社名変更すると発表した。

HRC USはこれを機に、北米のみならずFIA-F1世界選手権を含むホンダのグローバル四輪モータースポーツ活動を担当する。ホンダは日本の株式会社ホンダ・レーシング(HRC)とHRC US双方が持つ知見と知識を結集し、同社の「四輪モータースポーツの開発力をグローバルで高めていく」計画だという。

Courtesy Of American Honda Motor Co., Inc

HRC(株式会社ホンダ・レーシング)のロゴ

ホンダは二輪レース用の車両やパーツの開発、販売を目的として1982年にHRCを設立。各レース事業部門が持つ技術やノウハウの相互連携と組織運営の効率化を図るべく、2022年にはF1やスーパーフォーミュラを含む四輪レース活動機能を統合させた。

HPDはインディカー・シリーズへのエンジン供給を目的に、ホンダの米国販売子会社であるアメリカン・ホンダモーターの100%子会社として1993年に設立された。インディカーでは合計410戦中、180勝を達成。13回のドライバータイトルと10回のマニュファクチャラーズタイトルに加え、世界三大レースの一つ、伝統のインディ500では佐藤琢磨の2回を含む計15回の優勝を果たしている。

またAcuraブランドで参戦するIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権では2018年から現在までにデイトナ24時間レースを3度、年間ドライバータイトルとマニュファクチャラーズタイトルもそれぞれ3度獲得している。

HRCブランドへの一本化についてHRCの渡辺康治代表取締役社長は「HRCブランドを高め、Hondaのモータースポーツ活動を持続していくために、日米Hondaのモータースポーツ開発力を束ねた一体運用は大きな力になるでしょう」と語る。

「日米HRCのエンジニアが協調すればより強くなることができると確信しています。アメリカのスタッフがHRCの仲間になることを心より歓迎します」

またHPDのデイビッド・ソルターズ社長は「HPDには有能な技術者たちが切磋琢磨し、過去30年に渡る北米でのHondaのレーシング・ヘリテージ構築に貢献してきた実績がある。グローバルなレース組織の一員として今後、日本のHRCとともに世界のレース界でホンダ・レーシングを体現していく役割を担うことを光栄に思う」と語った。

HRC USとして臨む初戦は2024年1月27日~28日にフロリダ州で開催されるデイトナ24時間レースとなる。昨年のデビュー戦で優勝したAcura ARX-06にはHRCロゴがあしらわれる。

Courtesy Of Honda Motor Co., Ltd

HRC US IMSA参戦車両「Acura ARX-06」イメージ

栃木県さくら市を拠点とするファクトリー「HRC Sakura」は現在、レッドブル・レーシングと角田裕毅擁するスクーデリア・アルファタウリにF1パワーユニット(PU)の技術支援を行っており、2026年以降はアストンマーチンF1チームに次世代PU一式を供給する計画だ。

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