ホンダF1、ロシアGP予選を前に最新版スペック3エンジンの使用を断念…急遽旧型にロールバック
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ホンダはF1ロシアGP開幕2日目を迎えた29日(土)、今週末満を持して投入した最新型のスペック3エンジンの使用を断念し、旧型のスペック2に戻す事を決断した。ホンダはソチ・オートドロームに、新開発のICE=内燃エンジンとターボ及びハイブリッドの各コンポーネントを持ち込んでいた。
スクーデリア・トロロッソの主任エンジニアによれば、35馬力とも噂される待望のパワーユニットは信頼性やパフォーマンス等、あらゆる面で有望な成果を上げていたとの事であったが、初日金曜2回目のフリー走行終了後に課題が露呈。ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、旧型へのロールバックの理由を以下の様に説明した。
「FP2を終えてパワーユニットに関する全てのデータを分析したところ、パフォーマンスは向上していたのですが、キャリブレーションや車体側へのフィッティングなど、幾つかの領域で作業が必要が事が判明しました」
「そのため週末の残りのセッションでは、2台のマシンのエンジンを旧型に戻す事を決断しました。次週に控えるF1日本GP前までには必要な作業を全て終えられると考えていますので、鈴鹿以降のグランプリでは新しいパワーユニットを使用できると思います」
以前使用していた旧型エンジンに戻したとは言え、既に規約で定められた年間上限数を超えるエンジンの封を切っているため、日曜のレースでは変わらずグリッド降格が科せられ、ガスリーとハートレーは最後尾からスタートする事となる。
発表が行われたのは土曜フリー走行開始15分前。トロロッソ・ホンダの2台は1時間に渡って行われたFP3で古い仕様のエンジンを走らせ、ガスリーは21周を走り込んでトップのルイス・ハミルトンから2.058秒遅れの12番手。ブレンドン・ハートレーは22周を重ねて、同2.966秒落ちの16番手という結果でセッションを終えた。