F1ドイツGP:規約違反のルイス・ハミルトン、審議対象になるも戒告処分で難を逃れ優勝が確定
Published:
F1ドイツGPのレーススチュワードはレース終了後、レースディレクターからの報告を受けてメルセデスAMGのルイス・ハミルトンを召喚。レース終盤にピットエントリーとコースとを区切る白線を横切ったとして審議が行われた。
フェラーリのセバスチャン・ベッテルがクラッシュした事で出動したセーフティーカー中、メルセデスはハミルトンにピットインを指示。ハミルトンのマシンがピットレーン入り口に進入した直後、チームは無線を通じて先程の指示を撤回。ハミルトンはラインと芝を横切りコースに戻った。
レギュレーションではピットレーンとコースを隔てるラインの横断を禁止しており、ハミルトンは意図せずとも規約に違反した。14番グリッドからスタートしたハミルトンは、ライバルのアクシデントをも味方につけトップでフィニッシュ。チャンピオンシップ争いで大きく前進し、ベッテルに17ポイント差をつけて首位を奪還。それだけに、審議は大きな注目を集めた。
タイムペナルティーによる優勝剥奪の可能性もあったが、スチュワードは映像及び音声、そして関係者からの聞き取り調査を行い状況を精査。1時間半に渡る審議の結果、違反の事実は認定したものの戒告処分を科すに留めた。これにより、ハミルトンの優勝が正式に確定した。
重大な違反と見做さなかった理由についてスチュワードは、1,セーフティーカー導入中の違反であった点、2,無線での指示が混乱していた点、3,他車に影響がなかった点を挙げた。
ハミルトンの担当エンジニアを務めるピーター・ボニントンは実際の無線の中で、ピットインなのかステイアウトなのか判断がつきかねる指示を繰り返しており、この点が軽い処分の一因となった。