ハースF1、返金問題でザントフォールト出発できず…ウラルカリの入金確認待ちか

グリッドに運ばれるニコ・ヒュルケンベルグと27号車ハースVF-24、2024年8月25日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Haas

本来であれば、F1オランダGPの決勝後に夜通しの作業でザントフォールトを出発するところだが、900万ドルとされるウラルカリ社に対するスポンサー料の返金問題が解決するまでハースF1チームは次戦イタリアGPに向けてマシンを含めた機材を移動できず、現地に留まることになる。

ハースは金曜に第三者口座を経由してロシアへの返金作業を行ったと考えられており、チームオーナーのジーン・ハースはオランダGPの決勝当日に「すべて解決した」としているが、週末であった関係上、少なくとも月曜までウラルカリは口座への入金を確認できないと伝えられている。

ウラルカリが月曜に入金を確認すれば、チームはイタリアのモンツァに向けて直ちに出発できる見込みで、遅れを最小限に抑えることができるが、2台のマシンを含めたハースの資産は現在、差し押さえられており、火曜以降にずれ込む場合、イタリアGPの参戦が疑問視される事態に発展する恐れもある。

今年6月にスイスの仲裁裁判所が下した判断にもかかわらずハースは、契約が終了した2022年3月4日以降のタイトルスポンサー料を返還しておらず、ウラルカリはオランダの裁判所にマシンや機材を含めたハースの資産差し押さえ請求を申し立てた。

ウラルカリは2021年と2022年初めにハースのタイトルスポンサーだったが、ロシア軍によるウクライナ侵攻が勃発したためハースは、ウラルカリとの契約を即時解除すると共に、同社の支援を受けていたニキータ・マゼピンとの2022年レギュラードライバー契約を打ち切った。

この時点でウラルカリは、1300万ドルと考えられている2022年シーズン分のスポンサー料金の「大半」をハースに入金済みだった。

オランダGPの開幕前夜には執行官がザントフォールトのパドックを訪れ、ハースの資産を評価・明細化しており、入金が確認できるまで国外への出国を阻止できるようにしたが、ウラルカリはオランダGPに影響を与えることはせず、ハースはニコ・ヒュルケンベルグが11位、ケビン・マグヌッセンが18位でレースをフィニッシュした。

チーム代表を務める小松礼雄は金曜、「送金には複雑なプロセスが必要」であると説明し、目下、全力でこの問題に取り組んでいると主張した。

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