ガスリー、ヒュルケンベルグ交代説に憤慨「戯言で時間を無駄にしたくない」
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ニコ・ヒュルケンベルグとの交代説が報じられた事について、レッドブル・ホンダのピエール・ガスリーは、モータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコと会話したことを明らかにした上で「戯言で時間を無駄にしたくない」と憤った。
事の発端はイタリア。伊motorsports.comが先月29日に「レッドブル側の関係者がモンテカルロでヒュルケンベルグと接触」と報道した事で噂が加熱した。だが報じられた内容は、両者が接触したという情報以外の事実はなく、推測の範疇に収まるものだった。
これを受けてガスリーは、ヘルムート・マルコに電話をかけ真実を問いただしたが、マルコは「完全にナンセンスだ」として、移籍交渉の存在を全面的に否定。ヒュルケンベルグ側も「フェイクニュース」だと語り一蹴した。
「正直なところ、こんなでデタラメな話で時間を無駄にしたくない」とガスリー。カナダGP開幕を翌日に控え、ジル・ビルヌーブ・サーキットでのレースに集中したいとの希望を口にした。
「そんなことよりも、自分の仕事や家族、友人達といった大切な事に時間を使いたい。戯言だし、こんなのは悪いジャーナリズムさ。これ以上はコメントしたくない」
ルノーへと電撃移籍したダニエル・リカルドに代わり、今年レッドブルへの昇格したガスリーは、6戦を終えてチームメイトのマックス・フェルスタッペンに大きく負け越しており、チャンピオンシップでの得点差は78対32と、ダブルスコア・ゲームを演じている。
その一方でクリスチャン・ホーナー代表は、ガスリーには時間が必要だとして、性急に能力を評価することなく、チームとして広範にサポートし、成長を見守る姿勢を見せている。
だが、レッドブル・レーシングは「勝つために、出来ることは何でもやろう」が哲学であり、過去の事例を紐解くまでもなく見切りをつけるのが早い。昨年シーズンを通して「僕には契約がある」と語っていたブレンドン・ハートレーは、最終的に僅か1年で契約を切られてしまった。
今年のガスリーは昨年のハートレーを思い起こさせるものがある。今回の一件が事実でないにしても、自身の才能を証明するために残された時間が多くない事は確かだろう。