Dr.マルコ、来季レッドブル・ホンダ昇格についてガスリーと会談。角田裕毅については「典型的な日本人じゃない」

レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコとアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリー、2021年6月6日F1アゼルバイジャンGPにてCourtesy Of Red Bull Content Pool

チームメイトがルーキーの角田裕毅という事もあるが、今季のピエール・ガスリーは一段と輝いている。高い一貫性を発揮して安定的にポイントを獲得し、これまでのキャリアの中において最も高い次元でレースを戦い続けている。

当然次なる道はトップチームだが、レッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコはそれでも尚、ガスリーのレッドブル・ホンダ再昇格の可能性を除外している。

この程ニコ・ロズベルグは独Skyとのインタビューの中で、ガスリーの最近のパフォーマンスを称賛しつつも、隣のガレージにマックス・フェルスタッペンという強敵がいない今の環境は精神的に楽であり、シニアチームの昇格して再び相まみえた場合、現在と同水準の競争力を発揮できるかは疑わしいとの考えを示した。

ヘルムート・マルコは第10戦F1イギリスGPを前に公開されたMotorsport-Totalとのインタビューの中でロズベルグの発言について問われ、2016年のF1ワールドチャンピオンの主張に一部同意した。

レッドブル系ドライバーの人事権を掌握する78歳のオーストリア人マネージャーは、最近オーストリアのグラーツでガスリーと会談した事を明らかにした上で「今の彼はこれまで見てきた中で最高のガスリーだ」と成長した事を認め「レッドブルに在籍していた時のようなパフォーマンスや行動を繰り返す事はないだろう」としながらも、現時点ではレッドブル・ホンダへの復帰は「議題に上がっていない」と説明した。

「(セルジオ)ペレスが予選で苦戦している様子を見れば分かるように、隣がフェルスタッペンという状況では常にリスクがある」

ガスリーは2017年にトロロッソ・ホンダでF1デビューを果たした後、2019年にダニエル・リカルドの後任としてレッドブル・ホンダに移籍した。だがフェルスタッペンと同レベルのパフォーマンスを発揮する事はできず、結果的に僅か12レースというシーズン途中で降格され、アレックス・アルボンにシートを奪われる事となった。

結局そのアルボンも期待された成績を残せず昨年末でシートを失ったが、今もミルトンキーンズのシミュレータードライバーとしてチームに留まっている。

ヘルムート・マルコは「アルボンはシミュレーター上では本当に素晴らしく、それ以外の部分でも全体的に本当に良い仕事をしている」とした上で、今後もレッドブルの一員でありつづけて欲しいとの希望を口にする一方、引き抜きの要請があれば「彼の邪魔をするつもりはない」と語った。

ガスリーの契約に関しては2022年末までと考えられていたが、ヘルムート・マルコは「いや、彼にはまだ2年の契約がある。2023年末までだ」と指摘。ペレス残留の可能性について問われると「今はまだ分からない。夏休み中に来年のドライバーを決定するつもりだ」と答えた。

なお角田裕毅に関しては、FIA-F3選手権に参戦する同じレッドブル・ジュニアの礼儀正しい岩佐歩夢とは異なり「典型的な日本人ではない」として「図に乗りすぎる」事が相次ぐミスの元凶であると述べ、自制という考え方を身につける必要があると指摘した。

その一方で、オーストリアGP予選に触れ「ガスリーに対してコンマ1秒しか遅れていなかった」等として、そのスピードは「疑いない」ものであり、ペナルティ過多の現状についてはスチュワードの判断にも「問題がある」と擁護。その才能を発揮できるよう今後もサポートしていく考えを示した。

「我々レッドブルとアルファタウリは、彼が将来勝利を収めるドライバーになる事を100%確信している」

F1イギリスGP特集

この記事をシェアする

関連記事

モバイルバージョンを終了