メルセデスが最前列独占、ホンダ勢はフェルスタッペンが意地の4番手 / F1フランスGP《予選》結果とダイジェスト

ポール・リカール・サーキットを走行するメルセデスのルイス・ハミルトンcopyright Mercedes

2019年FIA F1世界選手権 第8戦フランスGP公式予選が6月22日にポール・リカール・サーキットで行われ、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンが1分28秒319を記録し、キャリア通算86回目となるポールポジションを獲得した。2番手はバルテリ・ボッタス。0.286秒届かなかったが、シルバーアローがフロントローを独占する結果となった。

セカンドロウ3番手には、トップから0.646秒遅れでスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレール。4番手にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが同1.090秒遅れで続いた。上位4台に続き3列目に並んだのはマクラーレン勢。ランド・ノリスが5番手、カルロス・サインツが6番手タイムを刻み大金星を挙げた。

フェルスタッペン以外のホンダエンジン勢は、母国GPのピエール・ガスリーが9番手と奮わず、地元ファンの声援に応える事が出来なかった。トロロッソのアレックス・アルボンは11番手、エンジン交換ペナルティにより最後尾スタートが決まっているダニール・クビアトは16番手という結果だった。

午前のFP3に引き続き、現地ル・カルテレ村は晴天に恵まれ、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温25.9℃、路面55.2℃、湿度46.3%のドライコンディションでスタートした。ポール・リカールは、時速300kmで進入する超高速コーナー「シーニュ」が名物のテクニカルコース。マシンの総合力が問われる。

公式タイヤサプライヤーのピレリはハードにC2、ミディアムにC3、ソフトにC4コンパウンドを投入。Q3進出者に追加提供されるコンパウンドはソフトタイヤが指定された。

予選Q1:急激な路面改善

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1では、急激な路面コンディションの改善によって、セッション終了間際にミッドフィールド以下のチームが大幅にタイムを上げる展開となった。

ウィリアムズのジョージ・ラッセルはFP3で抱えたトラブルのためにパワーユニットを交換。グリッド降格が決定した状況でセッションに臨み、19番手タイムを刻んで僚友ロバート・クビサを交わした。

ハースのロマン・グロージャンは、最終アタックの際にミストラル・ストレート中間のシケインでスピン。チームメイトが12番手で突破した一方で、17番手でノックアウトを喫した。ガスリー共々、母国ファンの前で不甲斐ない姿をさらけ出す事となった。

レーシングポイントはセルジオ・ペレスが6番手タイムで通過するも、僚友ランス・ストロールは18番手で敗退。グリッド最後尾スタートが決定しているトロロッソ・ホンダのダニール・クビアトは16番手でクルマを降りた。

ノックアウト

  • ダニール・クビアト
  • ロマン・グロージャン
  • ランス・ストロール
  • ジョージ・ラッセル
  • ロバート・クビサ

予選Q2:首の皮一枚で通過したガスリー

5台が脱落し、残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデスとフェラーリ、これにレッドブルのフェルスタッペンとマクラーレンのサインツを加えた計6台が、決勝を見据えてミディアムでコースイン。ボッタスとハミルトンは中間コンパウンドを履きながらも、互いにコースレコードを塗り替る激しいタイム合戦を繰り広げた。

ミディアム優勢の状況が明らかとなった事で、ルノーの2台とランド・ノリスの計3名がミディアムに交換。ミッドフィールド争いは熾烈を極め、7番手通過のサインツから13番手敗退のヒュルケンベルグまでの7台が、0.225秒の僅差に収まる大接戦となった。

ガスリーは最後の最後に100分の4秒差でアルボンを蹴落とし10番手。フェルスタッペンは3番手タイムを刻むも、ターン6での走行がトラックリミットの対象と判断されタイム抹消に。1セット目の最初のアタックタイムで6番手通過を果たした。

ノックアウト

  • アレックス・アルボン
  • キミ・ライコネン
  • ニコ・ヒュルケンベルグ
  • セルジオ・ペレス
  • ケビン・マグヌッセン

予選Q3:跳馬ベッテルが痛恨のミス

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、風向き変化の影響を受けたか、ベッテルが1セット目のアタックで痛恨のミス。1回目のランを終えてハミルトン、ボッタス、ルクレール、フェルスタッペンと続き、ベッテルはアントニオ・ジョビナッツィと共にラスト1回の走行に全てを懸ける事となった。

逆転ポールに向けてボッタスがラストアタックの先陣を切るも、全セクターで遅れを取りタイム更新ならず2番手が確定。一方のハミルトンは、セクター2で全体ベストを刻んで自己ベストを更新。コースレコードでポールポジションを獲得した。

フェルスタッペンは3強チームの底意地を示し、2度目のランでタイムを更新。ノリスを1000分の9秒という僅差で交わして4番手を獲得した。対照的に、ガスリーは自己ベストを更新するもチームメイトから0.775秒落ちの9番手。ルノーのダニエル・リカルドとマクラーレンの2台の後塵を拝する手痛い結果に終わった。

どういうわけかベッテルは2度目のアタックで全く速さがなく、3番手のチームメイトから0.834秒ダウンの7番手に留まった。「理由は分からない」とベッテル。「これまでのようなグリップが得られなかったんだ」

シーズン8戦目のF1フランスグランプリ決勝レースは、日本時間6月23日(日)22時10分からスタート。1周5842mのポール・リカール・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。

2019年F1第8戦フランスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:30.609 1:29.520 1:28.319 20
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:30.550 1:29.437 1:28.605 19
3 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:30.647 1:29.699 1:28.965 19
4 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:31.327 1:30.099 1:29.409 19
5 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:30.989 1:30.019 1:29.418 21
6 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:31.073 1:30.319 1:29.522 21
7 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:31.075 1:29.506 1:29.799 19
8 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:30.954 1:30.369 1:29.918 20
9 10 ピエール・ガスリー レッドブル・ホンダ 1:31.152 1:30.421 1:30.184 19
10 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:31.180 1:30.408 1:33.420 17
11 23 アレックス・アルボン トロロッソ・ホンダ 1:31.445 1:30.461 14
12 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:30.972 1:30.533 14
13 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ルノー 1:30.865 1:30.544 15
14 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:30.964 1:30.738 15
15 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:31.166 1:31.440 17
16 26 ダニール・クビアト トロロッソ・ホンダ 1:31.564 6
17 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:31.626 9
18 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:31.726 9
19 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:32.789 8
20 88 ロバート・クビサ ウィリアムズ・メルセデス 1:33.205 8

コンディション

天気晴れ
気温25.9℃
路面温度55.2℃

セッション概要

グランプリ名 F1フランスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ポール・リカール・サーキット
設立 1970年
全長 5842m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1フランスGP特集

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