タイヤ破裂の瞬間映像:大惨事に至った可能性も…不幸中の幸いだったフェルスタッペンのクラッシュ
Published:
イモラでのマックス・フェルスタッペンのクラッシュは、もう数秒ほど早くタイヤがバーストしていれば、大惨事になっていた可能性もある。2位表彰台を手中に収めたかに思われたオランダ人ドライバーは、51周目のターン5に差し掛かる際にタイヤが破損しクラッシュを喫した。
F1は11月1日に開催されたエミリア・ロマーニャGP決勝レース後、フェルスタッペンが駆る33号車レッドブル・ホンダRB16の360度カメラによって捉えられたリアエンドの映像を公開した。猛烈な破裂音と共に、内側から右リアタイヤが破壊されていく様子が記録されている。
Max went from 👌 to 💥 … in the blink of an eye#ImolaGP 🇮🇹 #F1 pic.twitter.com/vIpInpsgWp
— Formula 1 (@F1) November 2, 2020
ターン5はシケインを構成する1つ目の高速左コーナーで、アウト側には十分なスペースのグラベルがある。近くにウォールがなく安全にクルマが停止した事で、マシンにはバースト後に回転し続けていたタイヤによる破壊箇所以外に目立ったダメージはなく、フェルスタッペン当人にも怪我はなかった。
仮にタイヤの破裂がもう数秒早く、壁との距離が近い1つ手前のターン4で起きていれば大惨事に発展していた可能性もあるだけに、このインシデントは不幸中の幸いだったとも言える。加えて言えば、バースト時のコース脇にマーシャルが数名立っていたにも関わらず、彼らが大事に至る事がなかった点も本当に幸いだった。
ターン4は1994年までエンジン全開で駆け抜ける”タンブレッロコーナー”の相性で親しまれていた高速コーナーだ。ここはネルソン・ピケやゲルハルト・ベルガー、リカルド・パトレーゼがクラッシュした事で知られる場所であり、何よりもアイルトン・セナが命を落としたコーナーでもある。
セナの死亡事故後、安全性向上のためにコーナー脇のウォールを遠ざける事も検討されたが、地形的な理由でそれが叶わなかったため、シケインへと改修される事になったとされる。
2020年シーズンのF1カレンダーは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で再編に再編が重ねられ、史上初めてイタリア国内で3レースが開催されたが、フェルスタッペンはその全てでリタイヤを強いられる事となった。
なおトラブルの原因についてレッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は、コース上に脱落した他車のマシンパーツである可能性に言及しているが、ピレリのマリオ・イゾラもまた次のように述べ、同様の見解を示している。
「ハードタイヤに関しては多くが40周以上を走行した。無論、32周オールドのマックス・フェルスタッペンのハードタイヤに何が起きたのかについては原因調査が必要だが、コース上のデブリがパンクチャーを引き起こした可能性があるように思う」
イモラではフェルスタッペンと同じくホンダ製F1パワーユニットを搭載するアルファタウリのピエール・ガスリーがラジエーターの故障でレース序盤にリタイヤを喫しているが、フランツ・トスト代表は溶接部分から水が漏れたと説明している。