ハースF1元代表のギュンター・シュタイナー、チームを提訴…未払い報酬と肖像権を巡り

ハースのギュンター・シュタイナー代表、2023年6月30日にレッドブル・リンクで行われたF1オーストリアGPでの会見にてCourtesy Of Haas

ギュンター・シュタイナーがマイアミGPを週末に迎えた2024年4月30日(火)、2021年から2023年までの未払い報酬の支払いを求めると共に、契約終了後も自身の肖像が使用されているとして、ハースF1チームを米国ノースカロライナ州シャーロットの裁判所に訴えた。

シュタイナーはハースF1チーム創設の要となった人物で、2016年のハースのF1新規参戦に先立つ2014年より米国カナポリスのチームを率いてきたが、コンストラクター選手権最下位に終わった昨季を経てチームオーナーのジーン・ハースが契約を更新しない決断を下したためチームを去った。

シュタイナーは訴状の中で、雇用契約を通して翌年の1月に年次手当が支払われる決まりになっていたものの、ハースはこれに違反して2021年、2022年、そして2023年分を支払っていないと主張した。

訴状の一部、そして実際の契約合意書の大部分は黒塗りとなっており、詳細および未払となっている金額は明らかになっていない。

また、契約が切れた後も自身の肖像が入った商品を販売したり、販促資料やウェブサイトで自身の名前や画像を使用してブランドの宣伝を続けていると指摘し、これらの行為は無許可で行われており、ロイヤリティも支払われていないと主張した。

なお、ハースが4回目の契約更新を決断しなかった事については、正当な理由によるものであるとして異議を唱えてはいない。

2005年にレッドブルのF1テクニカル・ディレクターを退任し、レッドブルのNASCARプロジェクトを担当するため渡米したシュタイナーは、2009年にファイバーワークス・グループを共同で創業。その後はハースのF1参戦に決定的な役割を果たした。

ハースのF1デビュー後はチーム代表として指揮を取り、NetflixのF1ドキュメンタリー「Drive To Survive」では強烈な存在感を放ち、カルト的な人気を誇るに至った。シュタイナーは20年近く渡ってノースカロライナ州に住んでおり、米国市民権を取得している。

シュタイナーの後任代表には小松礼雄が就任した。チームは開幕5戦を終えて5点を獲得。コンストラクターズ選手権7位と、印象的なパフォーマンスを発揮している。

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