どうなるF1レース運営? FIA、2025年に向け「F1レースディレクター体制」を決定
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FIA(国際自動車連盟)は、2025年シーズンもルイ・マルケスがF1レースディレクターを務めることを正式に決定した。 オランダのDe Telegraafなどが報じた。
FIA会長のモハメド・ベン・スレイエムは先週末、マドリードで行われたFIAオフィシャルズ・サミットにおいて、2025年のF1シーズンで「複数」のレースディレクターを起用する可能性について言及した。
しかし、その後のFIAへの確認により、これは誤解を招く発言であったことが判明。実際には、2025年もポルトガル出身のマルケスが単独でレースディレクターを務めることが明らかとなった。
マルケスは、前任のニールス・ヴィティヒが昨シーズン終盤に突如解雇されたことを受け、2024年シーズンの最終3戦(ラスベガス、カタール、アブダビ)で暫定的にレースディレクターを務めた。この3戦でのレース運営が高く評価されたことが、今回の正式任命につながった。
F1のレース運営には、スポーティングディレクターや副レースディレクターを含む6名のオフィシャルが関与しており、マルケスはその中核を担う。さらに、スイス・ジュネーブに設置されたリモートオペレーションセンター(ROC)が遠隔でレース運営をサポートし、シーズンを通じて安定した運営体制を構築する。
2025年シーズンの副レースディレクターには、昨シーズンに続きオランダ出身のクレア・デュベルマンが任命された。
彼女は2017年からFIAに所属し、FIA-F2選手権やF3を含む26のシリーズを統括するチャンピオンシップ・マネージャーを務めた実績を持つ。2023年にF1のレースディレクションチームに加わった。
2025年はマルケスが単独でレースディレクターを務める方針だが、FIAは将来的にレースディレクターをローテーション制で運用する体制を構築することを目指している。
これには、主要メンバーが急遽欠席する事態にも柔軟に対応できるシステムを確立し、レース運営の安定性を向上させる狙いがある。
マドリードで行われたFIAオフィシャルズ・サミットには、7つのFIA世界選手権に関わる230名以上のオフィシャル(スチュワード、レースディレクター、各シリーズの代表者)が集結。2020年以来初となる大規模な育成・強化プログラムが実施された。
2025年にはFIAオフィシャル部門が新たに設立され、オフィシャルの発掘・育成・支援がより体系的に行われる。この部門はスポーツオフィシャルマネージャーのマッテオ・ペリーニが統括し、次世代の人材確保とトレーニングの最適化を図る。
現在、FIAには30万2000人以上のオフィシャル、マーシャル、ボランティアが登録しており、年間6万700以上のイベントで活動している。
今回のサミットで共有された情報や教育内容は、FIA加盟クラブを通じて各地域に広められ、モータースポーツの全レベルにおけるオフィシャルの育成・強化に繋げられる。
FIAは、「公平で安全なレース運営」を実現するため、今後もオフィシャルの育成に継続的に投資していく方針だ。