ベン・スレイエムFIA会長、F1業務から退くと表明…トンバジスが引き継ぎ
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モハメド・ベン・スレイエム国際自動車連盟(FIA)会長が2023年シーズンの開幕を前に、F1に関わる”日々の業務”から退く見通しとなった。シングルシーター部門を率いるニコラス・トンバジスがその役割を引き継ぐ。
ベン・スレイエムが全F1チーム代表に宛てた書簡によって明らかとなった。今後は日々の業務をトンバジスに一任し、自身は重要事項の意思決定を含めた戦略的な内容に集中するという。
英「Sky Sports」によると、この書簡は以下のように綴られていた。
「私は専門的な経営陣の採用を通じて非業務執行会長になることを目標に掲げていた。これは現在、ほぼ完了している」
「従って今後、F1に関するあらゆる事項の日々の窓口はニコラスと彼のチームとなる。私はリーダーシップチームと共に戦略的事項に集中していく事になる」
2021年12月にジャン・トッドの後任としてFIA会長に選出されたベン・スレイエムはこのほど、様々な批判にさらされていた。
ベン・スレイエムは先月、200億ドルと報じられたF1の評価額について不適当に高いと訴えた。これに対してF1とリバティ・メディアは、商業権に対する「干渉」であり、証券取引法に抵触し得るものであるとして猛抗議した。
その後、バーレーン人権民主主義協会(BIRD)や英国議員から人権に対する姿勢に批判が飛ぶと、20年も前のベン・スレイエムの性差別的発言が突如、F1の母国である英国で報じられた。
こうした状況を受け、FIA世界モータースポーツ評議会(WMSC)の複数の評議員がベン・スレイエムに対して懸念を示し、助言を行ったとされる。
ただし今回の動きについてFIAは、会長選の際にベン・スレイエムが掲げたマニフェストの中で「明確」に示されていたものであり、シングルシーター部門の再編を含む「F1の構造改革が完了」した今、次に向けた「もっとも」なステップだと説明している。
FIAは先月、F1を含むフォーミュラカー・シリーズを監督する内部組織、シングルシーター部門の大幅再編を発表。2022年のF1技術規定改革を主導したトンバジスをシングルシーター・ディレクターに任命している。