フェルスタッペンに約650万の罰金処分!F1サンパウロGP予選後のパルクフェルメ規定違反で
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F1サンパウロGPのスチュワードはスプリント予選の開始を2時間半後に控えた11月13日(土)、予選後のパルクフェルメ下にあるマシンを許可なく触ったとして、マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)に5万ユーロ、日本円にして約651万8,905円の罰金を科す裁定を下した。
招集命令に従いフェルスタッペンは13日(土)のFP2を前に、スポーティング・ディレクターのジョナサン・ウィートリーと共に現地9時30分にスチュワードの元へと向かった。聴取とFP2を経てスチュワードは現地14時を前にようやく一件に関する決定を発表した。
違反の根拠とされたのは国際スポーティング・コード(ISC)第2条5項1だ。同項は以下のように定めている。
「パルクフェルメ内には、割り当てられたオフィシャルのみが立ち入る事ができる。同オフィシャル、またはレギュレーションによる許可がない場合、(クルマに対する)操作やチェック、チューニング、修理は許されない」
スチュワードは聞き取り調査に加えて、ファンが撮影した映像、ピットレーンから撮影されたCCTVの映像、14号車・33号車・44号車・77号車の各車の車内映像を調査した。
スチュワードによるとフェルスタッペンは、予選を終えてクルマを降りた後に自分のマシンのリア側に移動。グローブを脱いでリアウイングのスロットギャップに右手を触れた。
次に予選最速を刻んだルイス・ハミルトン(メルセデス)の44号車に近づき、同様の行為を繰り返した。
ただし、メルセデスが主張するような「ハミルトンのリアウイングに指でダメージを与えた」事を証明するような事実は確認されなかった。
この主張はレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコによって明かされたものだが、程度の差こそあれスチュワードもメルセデスが同様の主張をしていた事を認めている。
44号車に設置されたロールフープカメラによる「鮮明な高解像度映像」から、フェルスタッペンが触れた際にウイングの如何なる部分も「全く動かなかった」事などから、スチュワードはフェルスタッペンが触れた力について「軽微」と断定した。
本件に限らずドライバーが予選や決勝後にマシンに触れる事は半ば常態化していた事で、殆ど害がないと見なされてきたため、これまで一律に取り締まられるような事はなかった。
スチュワードはこの点について認めつつも「パルクフェルメ規定違反である事に変わりはなく、損害を与える可能性は十分にある」と指摘。今回は直接的な被害は発生していないとしながらも、深刻な結果を招く可能性があることを考慮して罰金処分とした。