予想外の”歴史的ブルー”…フェラーリ、F1マイアミGPで限定カラーをマシンに採用
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スクーデリア・フェラーリはF1第5戦マイアミGPで、アメリカ市場におけるフェラーリ70周年を記念して、シャルル・ルクレールとカルロス・サインツがドライブするSF-24に、青色を取り入れた「予想外」の特別カラーリングを採用する計画だ。
フェラーリによると、マイアミ・インターナショナル・オートドロームではこの1戦に限り「イベントの興奮を更に高めるために、新鮮で予想外のカラー」がシングルシーターに施される。
「予想外のカラー」の正体は「アッズーロ・ラ・プラータ(Azzurro La Plata)」と「アッズーロ・ディーノ(Azzurro Dino)」だ。前者は文字通り、晴れた空(アッズーロ)のような淡い水色で、後者は鮮やかな深みのあるブルー。いずれもフェラーリの伝統的なカラーの一つで、ファンに愛され続けている。
ブルーを選んだ理由についてフェラーリは、アメリカにおける歴史的レースシーンを挙げた。
統括団体が別のシングルシーター「250LM」のホモロゲーションを認めなかった事に激怒したエンツォ・フェラーリは、二度とフェラーリとしてレースに参戦しないと表明。その言葉通り、1964年のF1シーズン最終2戦、アメリカGPとメキシコGPには「フェラーリ」としてではなく「N.A.R.T」として参戦した。
V8エンジンを搭載する「158」も、フェラーリを象徴する赤色「ロッソ・コルサ」から、アメリカのナショナル・レーシングカラーである白と青に塗り替えられた。
アッズーロ・ラ・プラータはアルゼンチンのナショナル・レーシングカラーとして知られており、1950年代にフェラーリで活躍したイタリアの伝説的なF1ドライバーで2度のF1ワールドチャンピオンに輝いたアルベルト・アスカリは、ジャージとヘルメットにしばしばこの色を使っていた。
また、1960年代にも、ジョン・サーティースやロレンツォ・バンディーニ、ルドヴィコ・スカルフィオッティ、クリス・エイモンといったドライバー達がこの色のレーシングスーツを着用した。ニキ・ラウダがフェラーリでの初年度に着用したレーシングスーツもこの色だった。
アッズーロ・ディーノはアルトゥーロ・メルツァリオやクレイ・レガツォーニらが好んだ深い色合いのブルーで、レーシングスーツが今のような赤色に変更される前に使用されていた。
フェラーリの本拠地であるマラネッロの従業員たちも青のシャツを着用しており、当時のフェラーリにとってブルーは、ロッソ・コルサと並ぶチームにとってのもう1つの象徴的なカラーだった。