フェラーリF1、レッドブル追撃へ…マイアミGPで改良ハイブリッドを”前倒し”投入か
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選手権リーダーのスクーデリア・フェラーリは劣勢にあるレッドブルに追い打ちをかけるべく、第5戦マイアミGPでパワーユニット(PU)のハイブリッド・システムにアップデートを持ち込む計画を進めているようだ。新開発のMGU-K、ES(バッテリー)、CE(コントロール・エレクトロニクス)の投入が見込まれる。
F1は2026年の次世代PUの導入に向け、2022年にPU開発を完全凍結させる。ICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、燃料・オイルはバーレーンでの開幕戦を前にした3月1日にホモロゲートされたが、残りのPUコンポーネントは9月1日まで猶予がある。
Motorsport Italyによるとマラネッロの技術チームは当初、第6戦スペインGPでの2基目のICE投入と合わせてERS系のアップデート・パッケージを導入する計画を立てていたが、シミュレーションで良好な数値が確認されたため、スケジュールを前倒ししたと言う。
レッドブルRB18とマックス・フェルスタッペンは確かに速いがレースを完走できるだけの信頼性を欠いている。開幕3戦を終えた現時点でのフェラーリは無敵に等しく、焦ってアップデートを投入しなければならない理由は見当たらない。
リタイヤ率50%のレッドブルが攻勢に出るためには、燃料系トラブルの早期解決と合わせて軽量化のアップデート・パッケージが欠かせないが、それを以てしても逆転タイトルは困難な状況だ。フェルスタッペンは2度のリタイヤによってランキング6位と沈み、チームとしてもコンストラクターズ選手権でフェラーリに2倍近い差をつけられている。
計画変更には、レッドブルが問題を抱えている間に今季タイトルを早々に決めたい、ライバルに残された僅かな希望を完全に打ち砕いて残りのシーズンで優位性を確保したい、とのフェラーリ首脳陣の思惑が感じられる。
アップデートはワークスのみならず、アルファロメオとハースというカスタマーチームの競争力を底上げする。ミッドフィールド争いにも変化があるかもしれない。
なお母国イタリアのイモラ・サーキットで行われる次戦エミリア・ロマーニャGPに関してマッティア・ビノット代表は、スプリントが採用される週末である事を理由に大規模な空力アップデートを投入する可能性を除外している。ただその一方で、新型フロアが持ち込まれるとの噂があり、ライバルとの差が更に開く可能性もある。