アロンソ、F1アメリカ決勝を経て入賞圏外に降格!ハースの異議申し立て成立…角田裕毅は9位昇格
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F1アメリカGPのスチュワードは14号車アルピーヌA522に対するハースF1チームからの異議申し立てを受け、「安全ではない」状態で走行したとして、フェルナンド・アロンソに10秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを科す裁定を下した。
既にチェッカーフラッグが振られているため、フィニッシュ時のタイムに30秒が加算された。この結果、7位フィニッシュしたアロンソは15位に降格。6点のチャンピオンシップ・ポイントを失う結果となった。
オースティン現地10月23日(日)のレース暫定結果の発表を経てハースは14号車について、レース中に「右側ミラーが緩み落下した」したために「安全ではなかった」と主張。レギュレーション違反だとして異議申し立てを行った。
アロンソはランス・ストロール(アストンマーチン)とのクラッシュによってミラーステーにダメージを負った。ただ、修復のためにピットインする事はなく、かなりの周回を経た後にミラーはコース上に脱落。その後はミラーがない状態で走行を続けた。
スチュワードとの公聴会には、ハース側からチーム代表のギュンター・シュタイナーと小松礼雄エンジニアリングディレクターが、アルピーヌ側からはスポーティングディレクターを務めるアラン・パーメインが出席した。
FIA側からはニコラス・トンバジス、ジョー・バウアー、ニールス・ヴィティヒの3名が同席した。
ハースは公聴会の中で、自分達は今シーズン中に3度、同様の状況でオレンジボール・フラッグが振られたと指摘。11号車は安全な状態になかったと主張した。
エドゥアルド・フレイタスがレースディレクターを務めた第9戦カナダ、第13戦ハンガリー、そして第17戦シンガポールの3回に渡ってケビン・マグヌッセンは、オレンジボールを受けた事でピットストップを余儀なくされた。
シュタイナー代表は、ハースのトラックサイド運営責任者を務めるピーター・クローラがレース中に2度に渡って14号車に関する問題をレースコントロールに報告した結果、この問題は調査中だとの返答を得たと説明した。
対してパーメインは、ミラーが外れたのは他車との接触が原因で、チームにもドライバーにも責任はないと主張。また、2019年の鈴鹿での日本GPの際に、ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールが同じ様にミラーを損傷しながらもレース続行を許された前例があると指摘した。
FIAテクニカル・デリゲートのバウアーは「ミラーが揺れ動く状態は危険であり、外れて他のドライバーに当たって負傷させる可能性があった」と指摘し、14号車が危険な状態にあったとの見解を示した。
また、技術部門の専門家という立場から「マシンには2つのミラーが必要であり、ミラーを失った状態でクルマを運転するのは安全とは言えない」とも指摘。トンバジスもこれに同意した。
スチュワードは、チームに対してマシンを安全な状態に保つよう義務付けているF1競技規定第3条2項への違反は明らかだとして、アルピーヌに責任があったと判断。アロンソに10秒のストップ&ゴーペナルティを科した。
なお、鈴鹿でのインシデントについては「前例とは見なさない」と指摘した。
また、ハース側からの要求にも関わらず、レースコントロールがオレンジボールを提示しなかった事および、状況是正のためにアルピーヌに無線連絡を寄越さなかった事に「深く憂慮している」とも付け加えた。
アロンソの降格に伴い、僚友エステバン・オコンが入賞最後の1枠である10位に繰り上がった。角田裕毅は9位に、マグヌッセンは8位に、そしてセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は7位にそれぞれ昇格した。
10月23日(日)にサーキット・オブ・ジ・アメリカズ(COTA)で行われた2022年F1第19戦アメリカGPの決勝レースでは、2番グリッドからスタートしたマックス・フェルスタッペンが今季13勝目を上げ、レッドブル・レーシングが9年ぶりのコンストラクターズ選手権制覇を成し遂げた。
エルマノス・ロドリゲス・サーキットを舞台とする次戦メキシコGPは10月28日のフリー走行1で幕を開ける。