F1、開幕オーストリアGPでの「スプリントレース式予選」を検討
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F1世界選手権は、2週連続開催を予定しているレッドブル・リンクでの開幕オーストリアGP及びシルバーストンでのイギリスGPにおいて、従来とは異なるスプリントレース式の予選フォーマットの実施を検討しているようだ。
伝えられるところによると、29日(金)に行われた国際自動車連盟(FIA)と各チーム代表が参加して行われたオンライン・ミーティングの中で、2連戦の内の2番目のイベント使って土曜日に30分間のスプリントレースを行い、これによって日曜日の決勝グリッドを決定するというアイデアがリバティメディアより提案されたという。
オーストリア保健省は30日(土)、F1と現地プロモーターから提出された新型コロナウイルス感染症対策を含むグランプリ開催計画を承認。7月5日・12日のオーストリアGPでの開幕の手はずが整った。F1らの正式発表はまだだが、ヨーロッパラウンドのカレンダーと合わせて6月1日(月)にアナウンスがあるものと見られている。
スプリントレース予選でポイントが加算される事はなく、またグリッドに関しては、その時点でのチャンピオンシップのリバース順位とする案が出ているようだが詳細は不明。なお、ダブルヘッダーではないイギリスとオーストリア以外の各グランプリでは、従来通り1ラップの最速タイムを競い合う3ラウンド制の予選フォーマットで決勝グリッドを決するという。
予選フォーマットの再検討については、F1のスポーティング・ディレクターを務めるロス・ブラウンが昨年の夏に前向きな姿勢を示しており、この際にもスプリントレース案が出ていた。
フォーマット変更の議論の際に最も重要な点の1つは、全力でプッシュすることに対するインセンティブだ。誰もが手を抜く競争が如何に退屈かについては議論の必要はないだろう。速く走る、限界ギリギリでドライブするメリットなきフォーマットが上手く機能することを期待するのは難しい。
本戦前に車両破損のリスクを負いたくない…という理由から、従来方式での予選ラップよりも無理をしない方向に振れる部分はあるだろう。年間の上限基数が定められているパワーユニットの各エレメントをセーブしようとする誘引が働くかもしれない。
賛否はさておき、このような実験的なアイデアを試すには今以上に最適なタイミングはないだろう。チーム側は概ね好意的なようだが、どうやらメルセデスのみが明確に反対の立場を示しているようだ。
COVID-19による前代未聞の危機的状況に鑑み、FIAは国際スポーティング・レギュレーションに「例外的状況下において、シリーズ保護のために必要な規約変更案に限り、過半数の同意で可決を認める」とするセーフガード条項を導入しているが、恐らくスプリントレース式予選はこの限りとは見なされないため、従来どおり全会一致が必要となる。
この日は正式な投票は行われず、各自持ち帰りの上で6月3日(水)に再び話し合いが行われるようだ。