F1イタリアGP:例年とは異なるシナリオも…タイヤ戦略考と気になる天気 / グリッド、角田裕毅は不利?

FP3終了時にスタート練習に取り組むダニエル・リカルド(RBフォーミュラ1)、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)、ランド・ノリス(マクラーレン)、ランス・ストロール(アストンマーチン)、2024年8月31日(土)F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

日本時間9月1日(日)22時にスタートを迎える2024年シーズンのF1第16戦イタリアGPのスターティング・グリッドが発表された。予選結果からの変動、および予想されるタイヤ戦略、気になる天気を見ていこう。

スターティンググリッド

イベント2日目には計4件のインシデントが発生して7名のドライバーが召喚され、その内の2件でスチュワードによる処分が下されたが、グリッドに影響するペナルティはなかった。

キャリア初の2戦連続となるポールポジションに着くのはランド・ノリス(マクラーレン)で、その隣にはチームメイトのオスカー・ピアストリが並ぶ。

なおノリスは通算5回のポールの全てで1周目にリードを失っている。ちなみに過去4大会のモンツァでポール・トゥ・ウインを飾った者はいない。

Q2敗退を喫した昨年のシンガポールGP以来、最悪の予選成績に終わったマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は7番グリッドに着く。初日のレースペースは有望だったが、ポジションを上げるのは容易ではないだろう。

過去3戦で2度目のQ1敗退を喫した角田裕毅(RB)は16番グリッド。新型フロアのデータ取りのためにも、トラブルフリーでの完走を目指したい。

以下は暫定のスターティンググリッド。レース直前に発表される正式版との差異が発生した場合は更新される。

Pos No Driver Team Qualifying
1 4 L.ノリス マクラーレン・メルセデス 1(-)
2 81 O.ピアストリ マクラーレン・メルセデス 2(-)
3 63 G.ラッセル メルセデス 3(-)
4 16 C.ルクレール フェラーリ 4(-)
5 55 C.サインツ フェラーリ 5(-)
6 44 L.ハミルトン メルセデス 6(-)
7 1 M.フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 7(-)
8 11 S.ペレス レッドブル・ホンダRBPT 8(-)
9 23 A.アルボン ウィリアムズ・メルセデス 9(-)
10 27 N.ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 10(-)
11 14 F.アロンソ アストンマーチン・メルセデス 11(-)
12 3 D.リカルド RB ホンダRBPT 12(-)
13 20 K.マグヌッセン ハース・フェラーリ 13(-)
14 10 P.ガスリー アルピーヌ・ルノー 14(-)
15 31 E.オコン アルピーヌ・ルノー 15(-)
16 22 角田裕毅 RB ホンダRBPT 16(-)
17 18 L.ストロール アストンマーチン・メルセデス 17(-)
18 43 F.コラピント ウィリアムズ・メルセデス 18(-)
19 77 V.ボッタス ザウバー・フェラーリ 19(-)
20 24 周冠宇 ザウバー・フェラーリ 20(-)

レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで完全生配信・生中継される。

想定されるタイヤ戦略

低ダウンフォース・パッケージが持ち込まれるサーキットはDRSの効果が小さくなるため原則的にオーバーテイクが難しく、トラックポジションが重視される。加えてモンツァはピットストップによるロスタイムが約25秒と長く、伝統的に1ストップ戦略が主流となる。

例えば以下のように、昨年大会ではトップ10フィニッシャー全員が1ストップ戦略を採用した。

Courtesy Of Pirelli & C. S.p.A.

2023年F1イタリアGPのドライバー別タイヤ戦略表

ピレリのシミュレーションによると、理論上の最速ストラテジーはミディアム(C4)とハード(C3)を1セットずつ使う1ストッパーで、ピットストップ・ウインドウは20~26周目が予想されている。

とは言え、今年は路面が再舗装されており、初日のロングランではソフトとミディアムに顕著なグレイニングが見られた。そのためピレリのモータースポーツ部門を率いるマリオ・イゾラは2ストッパーの可能性を除外していない。

「レースでは気温が重要な役割を果たすことになるだろう。明日は今日と似たようなコンディションが予想されており、タイヤマネジメントという点でチームやドライバーを悩ませることは間違いない」とイゾラは語る。

「また、グレイニングが引き続き問題となる可能性があるため、2ストップ戦略が選択肢として浮上するかもしれない」

2ストップ戦略の場合のコンパウンドについてピレリは、ミディアムを1セットとハードを2セットと予想している。

現実的なシナリオとしては、事前に2ストップに決め打ちするのではなく、1ストップを目指してレースに臨んだ上で、セーフティーカーやレース状況に対応する形で必要に応じて2ストッパーに移行するパターンだろう。

2ストッパーを見越しての判断だろうが、1名を除く全てのドライバーがハードタイヤを2セット温存した。1セットしか残っていない唯一のドライバーは角田裕毅だ。

気になる天気は…

1日を通して雲が広がる見通しだが、雨の心配はなさそうだ。気温は30℃以上が予想されているが、仮に雲により日差しが遮られることになれば、初日や2日目ほど路面温度は上がらないだろう。

F1イタリアGP特集

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