フォーミュラ1、デジタル時代に最適化された新しいロゴを発表。デザイン変更の理由を説明
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シーズン最終戦となるアブダビGPの表彰台セレモニーで、フォーミュラ1は刺激的な映像とともに新しいロゴを発表した。リバティ・メディア体制となったF1が自信満々に導入したロゴは、デジタルディスプレイでドット表示されたとしても明瞭に表現可能なシンプルな「F」と「1」で構成されている。F1はロゴのみならず、CI(コーポレート・アイデンティティ)の一新を進めており、今回発表されたロゴは、新しいF1ブランドの中心的な役割を果たすことになる。
ロゴ変更の理由
ロゴ変更の理由についてF1の商業面を統括するショーン・ブラッチスは、旧来のロゴは昨今のデジタルプラットフォーム時代に最適化されておらず、ロゴとしての役割が果たし切れていないためだと語った。ブラッチスは、スターバックス社やコカ・コーラ社のリデザインされたロゴにインスパイアされ、変更を考え始めたという。
After an amazing season – a new #F1 era awaits
Our greatest races are ahead of us
#Unleash2018 pic.twitter.com/1g0KSjeVhj— Formula 1 (@F1) November 26, 2017
1993年にバーニー・エクレストン体制の元で導入された馴染み深いロゴは、黒字の”F”の右側に水平方向への流れが表現された赤字の図表が配置され、両方のオブジェクトのネガ(空白)部分に「1」が浮かび上がるデザインとなっている。だが、ロゴの変更に際して各種調査を実施したところ、ネガの「1」は多くの人々に認識されていない事が分かったという。
© Formula One World Championship Limited / 1993年にデザインされたF1のロゴ
F1のマーケティング部門の責任者を務めるエリー・ノーマンは、ロゴはフィニッシュを超える2台のマシンの軌跡にインスピレーションを得て制作されており、様々な場面で有効に作用する柔軟性を備えていると説明した。新しいロゴには”タイプ”すなわち「Formula1」の文字の部分も含まれているが、発表された内容を見る限り、基本的にはマーク部分を主として活用し、状況に応じてタイプを補助的に使用するものと思われる。
新しいロゴの問題点
今回の新しいロゴは、ある程度成功していると言える一方で問題も抱えている。最も大きな問題の一つは、このロゴマークは、ディスプレイ上の限られた小さな領域に表示した際に、各オブジェクトを分割するネガのラインが潰れてしまう点にある。ロゴはその性格上、所有者が表示される場所や大きさなどを常に全てをコントロールする事が難しい。
例えば、F1の公式Twitterアカウントは、ロゴ発表と同時にこれを新しいものに差し替えているが、下記のキャプチャ画像から明らかなように、ネガのラインが細すぎるが故に視認性に問題が生じ判別しにくい。
旧来のロゴにも赤色が使われているが、新しいものでは再度と明度が上げられており、太陽光に晒されたスマートフォン等でも視認しやすいように、との意図が感じられる。