F1検閲ルール:罰則のリスク厭わず「闘い続ける」とハミルトン、不必要極まりないとラッセル

メルセデス「W14」のシェイクダウンを見守るルイス・ハミルトン、2023年2月15日シルバーストン・サーキットにてCourtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

国際自動車連盟(FIA)が新たに制定した”検閲ルール”についてルイス・ハミルトン(メルセデス)は、罰則を受けるリスクがあるにも関わらず「闘い続ける」と述べ、主張すべきと自身が感じる問題に光を当て続けていく考えを示した。

7度のF1ワールドチャンピオンは2020年のブラック・ライブズ・マター運動への参加を皮切りにモータースポーツ界の多様化を訴え、LGBTQ+を含む幅広い人権及び社会問題について声を上げてきた。

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警官によるブレオナ・テイラーさん射殺事件に抗議するTシャツを着用するメルセデスのルイス・ハミルトン、2020年F1トスカーナGPにて

表現の自由を侵害し得るこの規定についてハミルトンは、自らがこれまで訴えてきた様々な問題は「まだ語られるべき重要なもの」であるとして、「僕は僕であり続けるし、自分が情熱を傾けられるもののために闘い続ける。誰にも邪魔させやしない」と語った。

「口を開く事で余計なペナルティを受けるのは馬鹿げていると思うけど、僕は自分の意見を言い続けるつもりだし、このプラットフォームを通して取り組んでいかなきゃならない問題がまだたくさんある」

ハミルトンのチームメイトであり、GPDA(F1ドライバー組合)の理事を務めるジョージ・ラッセルも「不必要極まりない」などとして不快感を示し、開幕戦バーレーンGPまでにルールを撤回するようFIAに要求している。

Courtesy Of Mercedes-Benz Grand Prix Ltd.

シルバーストン・サーキットのピットウォールに立つジョージ・ラッセル、2023年2月15日のメルセデス「W14」のシェイクダウンにて

ラッセルは「もしFIAがこのルールを取り下げないなら呆れるだろうね」とした上で「僕らには言論の自由がある。何かについて意見や考えを共有したいと思えば、そうする権利があるという世界に生きているんだ」と強調した。

「勿論、僕らはこのルールについて明確にするよう求めているし、解決されるはずだと信じてる。何らかの誤解があったのだと思いたいけど、それについてはあまり自信がない」

「ある種のレギュレーションがあるからと言って、僕らは自分たちの見解や考えを制限するつもりはない」

FIAは2023年シーズンに向けて国際スポーツ競技規則(ISC)を改定し、ドライバーやチームが事前の許可なく「中立性の一般原則に著しく反する政治的、宗教的、および個人的な声明や意見」を表明する事を禁止した。

FIAの気分次第であらゆる行動・発言が制裁の対象となりうる危険性を孕むこの規定は議論と反発を呼び、バルテリ・ボッタスやマックス・フェルスタッペン、アレックス・アルボンや引退したセバスチャン・ベッテル、ランド・ノリスらが反発、懸念を表明している。

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