完敗…レッドブル・ホンダ 対 メルセデス / F1オーストリアGP予選 オンボード映像比較
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各チーム・ドライバーが死力を尽くして今季初の全力・全開走行を披露したオーストリアGPの公式予選が終わり、いよいよ決勝レースが数時間後に迫っている。人によって受け取り方は様々だろうが、メルセデスの異次元のパフォーマンスと、中団チームにすら遅れを取るフェラーリは驚きだった。
メルセデスの速さに関しては、週末を通して行われた3度のプラクティスからも予感されたところではあった。問題は程度だ。ミッドフィールドが近年稀に見る大混戦であった一歩、メルセデス「W11」を駆るルイス・ハミルトンとバルテリ・ボッタスは、62秒サーキットにおいて集団からコンマ5秒以上も前にいたのだ。
© Daimler AG、ポールポジションを獲得したバルテリ・ボッタス
過去2年に渡ってレッドブル・リンクを制してきたレッドブルでさえ、ブラック・アローズの前には全く歯が立たなかった。それはラップタイム然り、各計測地点でのトップスピード然り、様々な指標から伺えるところなのだが、この程F1公式サイトが公開したポールシッターのボッタス(メルセデス)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)の予選オンボード映像比較にも視覚的に表れている。
両者はホームストレート終端までほぼ横並びで走行するものの、フェルスタッペンがターン1で一気に0.1秒遅れる。その後のターン3へと続く上り坂では、ほぼ互角ながらもホンダ製パワーユニットを積むレッドブルが百分の数秒程度後退した。
鋭角の低速コーナー、ターン3ではフェルスタッペンがその差を少し詰めるものの、アクセルオンからの加速でボッタスが再び引き離す。これが大きく、ターン3からターン4までの数百メートルだけでフェルスタッペンはコンマ1秒を失った。
第2セクター以降もフェルスタッペンはズルズルと引き離され、高速の左、ターン7で更にコンマ1秒をロス。ここからフィニッシュラインまで続く最終セクターでギャップは徐々に拡大していき、最終的に0.538秒という大差がつくこととなった。オンボード映像比較は以下をクリック。
1周4,326mの中で、フェルスタッペンが駆る「RB16」がボッタスの「W11」に勝っていたのは低速のターン3のみと、まさにラップタイム通りの完敗で、全方位的に破れた格好であった。
今季のカレンダーからはシンガポールGPやモナコGPといった低速コーナーが特徴のグランプリが中止に追い込まれており、レッドブル・ホンダの優勝の望みが最も高いと見られるメキシコも、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響で開催が危ぶまれている。