F1、3度目のシャットダウン期間延長に合意…ホンダ含むエンジンメーカーも閉鎖期間が拡大
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F1とF1チームは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を巡る最新の情報を踏まえて、ファクトリーの強制閉鎖を定めた所謂”シャットダウン期間”(shutdown period)を再延長する事を決定したようだ。
スペインやベトナムなどの一部の国では厳しい外出制限が緩和されつつあるものの、感染が拡大すれば再び元の過酷な措置を取るとしており、また世界的に見れば、収束の見通しが立っているとは言い難い状況が続いている。
現在は今季エントリーの10チーム全てがシャットダウンを消化中であり、英国に拠点を置くメルセデスとレッドブルを除く計5チームは、ランニングコストを抑えるべく政府の経済対策を利用して従業員の大部分を一時的に解雇している。
バクー市街地コースまでの開幕9戦が全て中止あるいは延期されている事に加えて、正式な発表こそないものの当局の政令を考慮すればフランスGPの延期は避けられず、F1は少なくとも7月までレースを開催できる見込みが立っていない。
目下有力視されているのはレッドブル・リンクでのオーストリアGPだ。同国出身にしてレッドブル・レーシングのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、通常3日間のイベントを2日に短縮した上で、平日開催を含めたダブルヘッダーを行う用意があるとしている。
いずれにせよ、状況が如何に好転しようとも7月までグランプリレースが行われる事はない。独AMuSが伝えたところによると、国際自動車連盟(FIA)とF1及びF1チームは4月23日(木)に、シャットダウン期間を再延長する事で合意したようだ。シャットダウンは既に過去2度に渡って延長されてきた。
3月には夏から春へと前倒しした上で期間を1週間延長して3週間としたが、新型肺炎の影響でカナダGPまでの9レースが無期限の延期となった事を受け、4月上旬に更に2週間延長して計5週間へと拡大された。今回はこれが一気に4週間加算され9週間、計63日へと延長される。ホンダを含むPUサプライヤーを対象としたシャットダウンは7週間、計49日に変更される。
ただしこれには例外が設けられている。シャットダウン開始から50日目以降は、エアロダイナミクスに影響を与えない分野であれば最大10名の従業員を長期的プロジェクトに従事させる事ができるという。ただし事前にFIAに対して従事者の氏名と仕事内容、対応するプロジェクトを登録する必要がある。
エンジンメーカーに関しても同様で、最大10名の社員をシャットダウン開始から36日目以降に長期開発の仕事にアサインできる。いずれの場合も10日前までに必要書類をFIAに提出する事が義務付けられる。