鬼才エイドリアン・ニューウェイ、ベルニュと共に電動SUV「エクストリームE」に参戦
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レッドブル・レーシングの技術部門を率いる天才的デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが、元F1ドライバーのジャン=エリック・ベルニュら4名と共に新チーム「ベローチェ・レーシング(Veloce Racing)」を設立。電動SUVの新シリーズ「エクストリームE(Extreme E)」に参戦する事が明らかとなった。
エクストリームEは2019年9月19日、ベンチュリー、ABT、HWAに続く4番目の参戦チームとして、シーズン1のエントリーにベローチェ・レーシングが加わった事を発表した。同チームのマネジメントにはモータスポーツの各分野で活躍するダニエル・ベイリー、ルパート・スヴェンセン・クック、ジャック・クラーク、ハリソン・ニューウェイの4名が名を連ねる。
フォーミュラE選手権のダブルチャンピオンである元F1ドライバーのジャン=エリック・ベルニュは、先の4名に続く5人目の共同設立者としてチームに参画し、エイドリアン・ニューウェイは「リードビジョナリー」という肩書でチームに加わる。
なお、ベローチェ・レーシングはイギリスに拠点を構えるEスポーツチーム「ベローチェEスポーツ」の姉妹チームであり、Eスポーツ関連企業がリアルスポーツシリーズに参加するのは、モータスポーツ界にとって初めての出来事となる。
エイドリアン・ニューウェイはモータースポーツ界で最も大きな成功を収めた人物の一人であり、彼の手掛けたF1マシンはコンストラクターズチャンピオンシップで10度のタイトルを獲得。6名のドライバー達が、ニューウェイ設計のマシンに乗りドライバーズタイトルを手にしている。
「ベローチェ・レーシングの発足を発表でき嬉しく思う。我々はエクストリームEの正式なエントラントとして認められた」とエイドリアン・ニューウェイ。
「ベローチェ・レーシングに携わるすべての人々は、レース、競争、最先端のテクノロジー、そして今日の世界が直面している環境問題への取り組みに情熱を注いできた。エクストリームEへの参加はこれ以上ない喜びだ」
「このシリーズは、地球環境問題への注目を掻き立てつつ新しいテクノロジーを開発する点において非常に優れたプラットフォームだ。ベローチェはエクストリームEのレガシープロジェクトで積極的な役割を果たし、地域環境の再生を支援したい」
エクストリームEの創設者兼CEOであるアレハンドロ・アガグは「非常に印象的な人々から成るベローチェ・レーシングのエントリーは、このシリーズにとって非常に刺激的だ。エイドリアン・ニューウェイは天才的な技術屋であり、ジャン=エリックは世界トップクラスのドライバーだ」と語り、同チームの参加を歓迎した。
エクストリームEは、人間の手によって深刻な被害を受けている地域を舞台として開催される。イベントは3日間で構成され、現時点ではグリーンランドが開催地として発表されている。その他の候補地としてはヒマラヤ、熱帯雨林、砂漠、インド洋の島々などがリストに上がっており、今後明らかにされる予定となっている。
ドライバーとしては、6回のWRC世界ラリー選手権チャンピオンのセバスチャン・オジェや、ダブルDTMチャンピオンでFIA世界ラリークロスドライバーのティモ・シャイダー、Wシリーズ初の王者に輝いたウィリアムズF1の開発ドライバーであるジェイミー・チャドウィックらの参戦が確定している。