ハミルトン激戦制す!ペレスは移籍2戦目でフェルスタッペンに先行の最前列 / F1エミリア・ロマーニャGP《予選》結果とダイジェスト

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2021 FIA-F1世界選手権2戦エミリア・ロマーニャGPの公式予選が4月17日にアウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンがキャリア通算99回目のポールポジションを獲得した。
2番手には1000分の35秒遅れでセルジオ・ペレスが続いた。僚友マックス・フェルスタッペンはターン3でワイドに膨らんだ事が影響し、ペレスに1000分の52秒届かず3番手に甘んじた。
レッドブル・ホンダ移籍後2レース目にして、早くもチームメイトを上回るサプライズを見せたペレスは「最終コーナーでのミスがなければポールだったはず」と予選を振り返った。
バルテリ・ボッタスが8番手と大きく出遅れた事から、レッドブル・ホンダ対メルセデスの優勝争いは2対1の構図で行われる事になる。レッドブルが2台で異なるタイヤを履きスタートする事もあり、戦略的にも興味深いレースが期待される。
トップ3の背後、2列目4番手には、親友ピエール・ガスリー(アルファタウリ・ホンダ)との僅差のバトルを制したフェラーリのシャルル・ルクレールが並んだ。ガスリーは惜しくも100分の5秒届かなかった。
アルファタウリ・ホンダのもう1台を駆る注目の角田裕毅は、Q1での1回目のタイム計測の際にターン14・15のシケインでコントロールを失いリア側からタイヤバリアに激突。ノータイムの20番手最下位に終わった。
速度域がさほど高くなかった事もあり、幸いにも本人は無事であったが、車体後方の損傷は激しく、パワーユニットやギアボックスへの影響が懸念される。
マクラーレン勢は2台がトップ10に駒を並べた。最終的には6番手の僚友ダニエル・リカルドに届かず7番手に甘んじたランド・ノリスだが、トラックリミットに引っかかる事がなければトップ3に並んでいた。
コース幅が狭いオールドファッションなイモラは、僅か4回という昨年の数字が象徴的なようにオーバーテイクが非常に困難で、過去26回のレースの内の7割がポールないしは2番グリッドからの勝利となっている。
2021年4月17日、F1エミリア・ロマーニャGP予選を前にイモラ・サーキットのピットで故エジンバラ公フィリップ殿下を偲ぶレッドブル・ホンダのメンバーたち
上空には黒い雲が広がり、直前には一時雨粒が落ちる場面もあったが、決勝のスタートグリッドを決する争いは気温12℃、路面27℃のドライコンディションでスタートした。なお予選前には、ピットレーンでエディンバラ公爵フィリップ殿下の偲んで1分間の黙祷が行われた。
公式タイヤサプライヤーのピレリは去年のレース及び開幕戦と同じく、ハード(白色)にC2、ミディアム(黄色)にC3、ソフト(赤色)にC4コンパウンドを投入した。
予選Q1:ウィリアムズがW突破
エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1は、角田裕毅のクラッシュに伴い時計の針が一時止められたが、10分弱で再開された。
Q3進出に足る競争力あり、と自信を示していたジョージ・ラッセル擁するウィリアムズは、ニコラス・ラティフィが12番手、ラッセルが14番手と、昨年のハンガリーGP以来となる2台揃ってのQ2進出を果たす見事なパフォーマンスを示した。
対してバーレーンでトップ10圏内を伺っていたアルファロメオは、昨年同様に今年もイモラに手こずり、キミ・ライコネンが16番手、アントニオ・ジョビナッツィが17番手でダブルQ1敗退を喫した。
ハース勢はミック・シューマッハが僚友を圧倒。ニキータ・マゼピンにコンマ5秒差を付けて18番手でヘルメットを脱いだ。
ノックアウト
- キミ・ライコネン
- アントニオ・ジョビナッツィ
- ミック・シューマッハ
- ニキータ・マゼピン
- 角田裕毅
予選Q2:移籍組が厳しい結果に
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、決勝レースでのアドバンテージを狙って、メルセデスとフェルスタッペンがミディアムタイヤを履いてアタックを成功させた。
僚友とは異なりソフトタイヤを選んだペレスは、ノリスを抑えてトップタイムでQ3へと駒を進めた。
コース幅が狭くクルマに対する自信が欠かせないイモラとあって、まだまだクルマに慣れない移籍組にとっては厳しい結果となった。
アルピーヌはエステバン・オコンが8番手でQ3進出を果たした一方、2005年のイモラ・ウィナー、2年ぶりの復帰果たしたフェルナンド・アロンソは15番手でノックアウトを喫した。
フェラーリもルクレールが3番手に付けた一方、マクラーレンから移籍してきたカルロス・サインツは11番手と肩を落とした。
アストンマーチンも同様に、ランス・ストロールは10番手で突破を果たしたものの、移籍後2戦目のセバスチャン・ベッテルは13番手でヘルメットを脱いだ。
ウィリアムズは1回目にミディアムを選択。その後ソフトに履き替えて計測に向かったが、ラッセルが12番手、ラティフィが14番手と、Q3には手が届かなかった。
ノックアウト
- カルロス・サインツ
- ジョージ・ラッセル
- セバスチャン・ベッテル
- ニコラス・ラティフィ
- フェルナンド・アロンソ
予選Q3:幻に終わったノリスの3番手
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、1セット目のアタックを終えてハミルトンが暫定ポールに付け、フェルスタッペンが100分の9秒落ちの2番手、ペレスが3番手に続いた。
最終計測ではボッタスが先陣を切ったものの奮わず。新品ソフトに履き替えたガスリーは自己ベストを縮めて4番手タイムを刻んだ。
ノリスは第1・2セクターでメルセデスやレッドブル・ホンダを上回る全体ベストを刻んで3番手相当をマークしたもののトラックリミットでタイム抹消となり、最終7番手という結果に終わった。
フェルスタッペンもタイムを縮めたがターン3での遅れが足かせとなりハミルトンには届かず、逆にペレスに交わされてしまい3番手に後退した。
2021年 F1エミリア・ロマーニャグランプリ決勝レースは、日本時間4月18日(日)22時10分にスタート。1周4,909mのアウトードロモ・エンツォ・エ・ディーノ・フェラーリを63周する事でチャンピオンシップを争う。
2021年F1第2戦エミリア・ロマーニャGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:14.823 | 1:14.817 | 1:14.411 | 23 |
2 | 11 | ペレス | レッドブル | 1:15.395 | 1:14.716 | 1:14.446 | 18 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:15.109 | 1:14.884 | 1:14.498 | 20 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:15.413 | 1:14.808 | 1:14.740 | 19 |
5 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:15.548 | 1:14.927 | 1:14.790 | 21 |
6 | 3 | リカルド | マクラーレン | 1:15.669 | 1:15.033 | 1:14.826 | 21 |
7 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:15.009 | 1:14.718 | 1:14.875 | 15 |
8 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:14.672 | 1:14.905 | 1:14.898 | 22 |
9 | 31 | オコン | アルピーヌ | 1:15.385 | 1:15.117 | 1:15.210 | 20 |
10 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:15.522 | 1:15.138 | 20 | |
11 | 55 | サインツ | フェラーリ | 1:15.406 | 1:15.199 | 16 | |
12 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:15.826 | 1:15.261 | 16 | |
13 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 1:15.459 | 1:15.394 | 14 | |
14 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:15.653 | 1:15.593 | 14 | |
15 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 1:15.832 | 1:15.593 | 14 | |
16 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:15.974 | 10 | ||
17 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:16.122 | 9 | ||
18 | 47 | シューマッハ | ハース | 1:16.279 | 12 | ||
19 | 9 | マゼピン | ハース | 1:16.797 | 12 | ||
RT | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 2 |
コンディション
天気 | 曇り |
---|---|
気温 | 12℃ |
路面温度 | 27℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1エミリア・ロマーニャGP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | イモラ・サーキット |
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設立 | 1953年 |
全長 | 4909m |
コーナー数 | 21 |
周回方向 | 反時計回り |