ステファノ・ドメニカリ、F1トップとして続投決定─2029年まで契約延長

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ステファノ・ドメニカリがリバティ・メディアとの間で5年の契約延長に合意し、少なくとも2029年までF1の最高経営責任者(CEO)兼会長職を務めることが決まった。
59歳のイタリア人実業家であるドメニカリは、2021年1月1日にF1のトップに就任。その指揮のもと、F1は世界的な成長を遂げ、グランプリへの関心は飛躍的に高まった。
契約発表に際してドメニカリは、「この素晴らしいスポーツを引き続き率いることができ光栄だ。幼少期から私の人生の一部であったF1に関わり続けられることを嬉しく思う。また、リバティ・メディアのチームが私に寄せてくれた信頼にも感謝している」と述べた。
「F1に関わるすべての関係者とともに、ファンの皆さんの利益を最優先に行動していく。ファンこそがF1の鼓動であり、その情熱、エネルギー、そしてアドレナリンが、私が日々全力を尽くす原動力となっている」
ドメニカリは1991年にフェラーリでキャリアをスタートし、2008年にチーム代表に就任。その後、2014年にアウディAGへ移り、新規事業開発の副社長を務めた。2016年にはランボルギーニの会長兼CEOに就任し、ブランドのグローバル市場での成長を成功に導いた。
2021年にF1のCEOに就任すると、長年のF1経験を活かし、着実に改革を推進。前任のチェイス・ケアリーが築いた土台をさらに発展させ、F1の成長を加速させた。
ドメニカリのもと、F1は特にアメリカ市場での拡大を強化。マイアミGPとラスベガスGPという新たなレースを導入し、北米でのプレゼンスを高めた。また、F1の収益増加に伴い、チームへの賞金分配額も増加。事業としても右肩上がりの成長を続けている。
こうした背景から、リバティ・メディアがドメニカリとの契約延長を決定したのは当然の判断といえる。
F1創設75周年を迎える今年は、F1、国際自動車連盟(FIA)、10チーム間で新たな商業契約の交渉が予定されており、F1にとって極めて重要な1年となる。さらに、2026年には新たな車両レギュレーションとパワーユニット規則が導入される。
ドメニカリは、このF1新時代に向けた指針を策定し、引き続きF1の発展を牽引する役割を担うことになる。