F1初陣入賞だけでは不十分「2日で忘れ去られる」ベアマンに警告するヒュルケンベルグ
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ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)は、F1デビュー戦でポイントを獲得したオリバー・ベアマンの走りを評価しつつも、本業のFIA-F2選手権で結果を残せなければ、その活躍は「2日で忘れ去られる」と警告した。
レースウィーク中に虫垂炎と診断されたカルロス・サインツの不運はベアマンに千載一遇のチャンスを与えた。フェラーリ育成傘下の18歳は僅か1時間のプラクティスを経て予選11番手を獲得すると、サウジアラビアGPで堂々の7位入賞を果たした。
この印象的なパフォーマンスを受け、2025年に向けてフェラーリのカスタマーチームであるハースと契約を結ぶのではとの見方が広がっているが、36歳のドイツ人ベテランドライバーは、F1へと至る道はそう甘くはないと警告する。
蘭「RacingNews365」によると、オーストラリアGPに先立ち、ベアマンが自身のシート争いのライバルになったと思うか?との質問に対してヒュルケンベルグは「それを言うのは時期尚早だと思う」と答えた。
「まず第一に、彼はF2で大きな仕事を抱えていると思う。だって、もし彼がそこで上手くやれなければ、ジェッダでのレースは2日で忘れ去られてしまうからね」
「だから、F2で結果を残さなければならないという彼に対するプレッシャーはかなりのものだと思う」
ベアマンは昨年、二つのグランプリのFP1でハースVF-23のステアリングを握った。F1シミュレーターでの作業に加えて今年は異例と言うべき計6回の出走を予定するなど、フェラーリから手厚いサポートを受けている。
ヒュルケンベルグは「彼は昨年のメキシコとアブダビで良い仕事をしていた。ジェッダでの仕事も手堅かったと思うし、ミスのない良いレースだった」とチームのリザーブ・ドライバーを評価したが、同時にサウジアラビアでの活躍はフェラーリSF-24のポテンシャルの高さを示すものだとも指摘した。
「結局のところ、彼は2番手のクルマに乗っていたわけだ。それが如何に価値があり、そしてどれほどの違いを生むかが分かったと思う」
「だから僕らを含めて中団を争っていた誰にとっても、あれが少し受け入れ難いことであったのは確かだ。でもしょうがない」
デビュー戦で7位フィニッシュしたサウジアラビアのレースを経てベアマンは、「ヒュルケンベルグをオーバーテイクするのにかなりの時間を使ってしまった。彼はその経験を生かして必要以上に僕を抑え込み続けた」と述べ、自らに足らない部分があった事を認めた。
ヒュルケンベルグはベアマンとの攻防を振り返り「彼が僕を追い抜くのにどうしてそんなに時間がかかったのか分からない。5周を要したんだからね」と冗談を飛ばした。