シムレースを避けるリカルド「バーチャルでフェルスタッペンと戦う気はない」

ジル・ビルヌーブ・サーキットでメディアからの質問に答えるルノーのダニエル・リカルド、2019年F1カナダGPcopyright RENAULT SPORT

スポーツへの関心の引き止めとコアファンの欲求不満解消のため、あらゆるモータースポーツシリーズが21世紀のテクノロジーを有効活用し、オンライン上でシムレースイベントを開催しているが、ルノーのダニエル・リカルドは意識的にバーチャルレースへの参加を避けている。

F1ではレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンがスポーツカー、シングルシーターの別なく、時間の許す限り様々な仮想チャンピオンシップに参加し、マクラーレンのランド・ノリスはファンとの交流を楽しみながら、F1公式バーチャルGPはもとより、インディカーのiRacing Challengeにまで進出するなど、現役F1ドライバーの半数近くが思い思いに電子空間上でのレースに時間を割いている。


© Twitter@Max33Verstappen

その一方で、キミ・ライコネンやルイス・ハミルトンといったベテランドライバー達は、若手とは異なりコンピューターの演算がもたらす疑似レースに興味を持ち合わせていないようで、仕事とあらば話は別だが(ハミルトンはグランツーリスモSPORTのアンバサダー)接触的に関与する気配はみられない。今年の7月1日に31歳の誕生日を迎えるオーストラリア人ドライバーもその一人だ。

メルボルンでのグランプリが中止され、F1サーカス団が本拠地ヨーロッパに戻ったのとは対照的に、自然豊かな母国の農場へと帰っているリカルドは地元メディアとのインタビューの中で、かつての同僚フェルスタッペンとオンライン上で競い合う可能性について質問されると「殆どないね」と答えて次のように続けた。

「マックスの頭の中はシムでいっぱいだ。1日の50%以上をシムレースに費やしてるんじゃない?」

「僕も競争心が強いから、もし一度やり始めたら1日何時間もやる事になるだろうし、その結果としてトレーニングセッションの事を忘れてしまい、シムの連中とのレースに没頭してしまう事になるんだと思う。僕はトレーニングの方がより生産的だと思ってる」

リカルドが故郷を離れ渡欧してから15年が経った。家族の近くで日々を暮らし、昔からの友人たちと同じタイムゾーンで生きる今の生活は、リカルドにとって懐かしくも新しい感覚だろう。陽気なオージーはトラクターを運転したり、自宅でパルクールごっこをしながらも、レース再開に向けて鍛錬を行っていない。

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